満足度★★
500円ならそう文句は言えない。
過疎の村での秘祭をモチーフにした本作。
しかし、ここから先を描くべきところで作品は終わっている。
まだ物語は始まっていないのだ。
物語が始まり、何か秘密がある。それが明かされ対立(諍い)などが起こり、そして一応の解決をみる(先がはっきり示されない場合もある)。
最近こんな作品を見ることが多い。
もちろんこれは多くの物語の一定型であり、よくあるパターンだ。
だが、私のいう「こんな作品」とは、本当に描くべき話や人間は「この先にこそあるのに描かれていない」作品のことだ。
登場人物たちは最後にはそれぞれの決意をして終わる。
しかし、我々観客が見たいドラマはその先にあるものだ。
作品内で見せられたところまでは始まりでしかなく、登場人物たちの葛藤や決意など、一般人の多くが、形は違えど経験済みの「当たり前」のことでしかない。
我々はその先を知りたい。
彼らはどうやって生きていくのか。未知の世界を生き抜くのか。
また、演出もありきたりで浅すぎる。
面白いところがないとは言わないが、「感情が高ぶったところでは大声を出す」などという演出は考えがなさ過ぎる。
そんな事をするのは子供か本当に考えのない人間くらいで、怒りや激情を表すにはもっと豊かな表現がいくらもあるだろう。
個人的なことを言わせて貰えば、ナレーター役の方が、最初はそれほど気にならなかったのだが、後半になるにつれ気になって仕方なかった。
意味深な動きや感情過多な喋りが段々癇に障ってきた。
もちろんこれは個人的に感じただけなので、誰もがそうだとは思わない。
さて、リーディング公演だったわけだが、今まで見たリーディングに比べるとある意味成功ではないかと思っている。
今まで見たものの感想の多くは、「本公演で観たい」だったが、この作品は違った。
本公演を観ていないので憶測だけで失礼な事を言わせていただくが、この作品を本公演で観ていたら役者の動きなどに物足りなさを感じ頭を抱えていたのではないかと思う。
しかし、リーディング公演であるがゆえに、役者の声だけを聞きながら自分の想像の中で役者を動かすことが出来た。
もうひとつ失礼を付け加えると、役者の声(声質ではなく、演技や間)も良かったわけではない。
役者や場面によっては酷いものがあった。
しかし、題名にも書いた通り500円ならそう文句を言うこともないとは思う。
2010/11/03 22:50
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2010/10/24 13:13
ひとまずはご納得いただけたようで感謝いたします。
全て万事解決、とはいきませんが、合意が目的ではありませんので問題のない範囲であろうと思います。
今回のやり取りにより、私がコリッチで書き続けることについてはたかさき様から許可を頂きましたので、これからも心置きなく書くことが出来ます。
もちろん、書いたものの出来が悪ければご批判頂いてけっこうです。
観た演劇作品についての討論とともに(というより、本来作品についてこそ語るべきです)、発展的な展開ができることを望みます。
立場の違いの問題は、個人的にお話するのならまだしも、オフィシャルな場では、それを越えて語り合うことはこれからも出来ないでしょう(逆を言えば、その立場内でなら話し合えることを意味します)。
それでは、お忙しいでしょうに、長々とお付き合いありがとうございました。
次回は、作品内容について語り合えることを期待しています。