グロリア 公演情報 ハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    どんな時代だったとしても
    人生はあっという間だ。
    生まれ落ちる時に時代も場所も環境も選べず放り出され
    右往左往、悲喜こもごも沢山の想いを紡いで暮らしていく。
    泣き笑い怒り悲しみ、丸い地球の上の本当に卑小な私達。
    時に信じた正義に裏切られ、その真実も見えず知らず
    哀しみのバトンは予期せぬ誰かの手の中に堕ちたりもする。
    そうして巡る幸せも痛みも全ての総量は一定なのではないか?

    それでも生ききってこそ
    そんな愛おしい時間に想い至るラストにキュンと来た。

    ネタバレBOX

    人生を全うしてまさに旅立とうとする老女。
    家族には惚けていると思われている彼女の残した文章を
    生活に窮々とし、ささくれた気持ちで固まってしまった孫が読み進め
    果ては彼が彼女の少女時代に成り代わる。
    観客は少女の彼と共に老女の心に映る原風景へと旅に出る。

    旅立つ時に自分はどんなことを思うのか。
    喜びに満ちた一瞬の輝いた時か、口をつぐみ蓋した苦い後悔の時だろうか。
    省みて戻りたいと思える時代、時期はいつだろう。


    メビウスの輪のように繋がるラストの優しさは作家の持ち味?

    そういえば、家で待つ人と話していないことが沢山在る。
    帰り道は少しだけ柔らかい気持ちになった自分に笑いが出た。

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    2010/10/23 03:24

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