葬送の教室 公演情報 風琴工房「葬送の教室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    期待どおりの力作でした
    出版物、映像などを通してもこの事件については関心を持ってきただけに、今回の舞台化には強くひかれた。
    演劇ならではの魅力を実感。
    場内の嗚咽と、終演後の鳴り止まない拍手が印象に残った。
    演技ということを忘れるほど、俳優がすばらしかった。特に佐藤、根津、岡森さん。
    1時間40分という上演時間内に見事に凝縮している点を高く評価したい。こういうテーマだと、いくらでも長く書きたくなるものだと思うが、さすが詩森ろばさんだ。「秘すれば花」といった矜持さえ感じた。
    演劇愛好家で観劇なれしている人はあまり気にならないかもしれないが、関係者との付き合いで観にいく知人・友人など一般客の間では、昨今の小劇場の長時間作品への風当たりはけっこう強いのだ。


    ネタバレBOX

    事故直後、本作のモデルとなった事故機の航空会社の社員のかたから、社内の空気や、殺到した苦情電話の対応マニュアルをめぐり、社員間の人間関係もギクシャクしたことなどを伺っていたので、いっそう、うなずけるものがあった。
    1人旅させた9歳の息子を失った夫婦と、妻を失い、子供のいない鉄工所経営者、娘を失い、遺族会のイニシアチブをとる技術者の紳士たちの、あえて互いの反発を語る場面に胸えぐられる思いだった。
    劇化するにあたり、短絡的な誤解や批判も出るのは百も承知のうえだと思うだけに、詩森さんの挨拶文には、毅然とした崇高な姿勢の中にも深い哀切と愛情を感じた。

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    2010/10/19 04:49

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