満足度★★★★★
ハッピーエンドと言うために
ダーウィンの時代と進化論の過程を、恋と音楽の引力で束ねるなかなかアクロバティックなストーリー。物語の展開は歴史を生物史観から再編成することで現在と未来と存在を肯定的に把握し直す時に向かうための道筋であって、観終えると確かに熱くひたむきなメッセージが残る。きちんと「物語、物語る」という劇団理念に正面から取り組む姿勢を感じ取れた。
音楽家と組んでるだけあって、音楽の感性できめるシーンがキレてて最高に気持ちよし。野田秀樹的想像力と派手な身体動作って今どきむしろ新鮮。
言葉遊びにほころびが見える瞬間もあったが、基本的にハッタリ力でどうにかしてて嫌いじゃない。あとは笑い所で笑わせられるだけ全体の演技に余裕が出てくるぐらいになったらエンターテイメントとしては安心して観られようになるだろう。今回はまだ多くの役者がいっぱいいっぱい。