ジーンズ -gene(s)- 公演情報 劇団銀石「ジーンズ -gene(s)-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    刹那の密度と広がりの深さ
    時間の尺と
    連綿として繋がる生命のダイナミズムが
    劇場が持つ閉塞感のなかにしっかりと宿って・・。

    研ぎ澄まされた感覚と
    ダイナミズムに
    ひとつの命への想いが
    うまく共存した作品でありました

    ネタバレBOX

    ダーウィン自身の物語から
    ダーウィンの進化論を織り込んでいく過程が
    とてもしたたか。
    舞台上に刹那と壮大な時間の広がりが
    共存して物語を広げていきます。

    進化の競争に
    ある種のダイナミズムがあって
    繰り返されるシーンから
    ふっと何億年もの時間を掌にのせたような
    感覚すら生まれて・・・。

    そのことと、
    ダーウィン自身の描写が
    次第に重なっていく。
    概念に血が通ったような感じがして
    逆に一つの命が呑みこまれていくような
    感覚が醸成される。

    ザムサは劇場自体が
    ある種の閉塞感をもっているのですが
    とても強い印象があったのですが
    それを逆手にとるように
    この星の時間軸を貫いて見せた
    作り手の手腕に舌を巻く。

    個々の表現の何気なデフォルメも上手いと思う。
    たとえば電話の鳴動音の表現にしても
    ダーウィンが閉じ込められた想いのなかでは
    絶妙な強さで観る側に伝わってくるのです。

    ダーウィンの想いに次第に密度が生まれて、
    五感の感覚のずれが
    肌合いとして伝わってくるようになって。
    産まれぬ子への語りかけに背景が生まれ、
    いるかや鯨の言葉遊びが
    機能を始めて
    物語がしっかりとつながる。

    どこかにソリッドな感覚が織り込まれた
    壮大さがありながら
    人間臭い真摯な想いが残る。

    舞台上に生まれた
    ある種の高揚感が
    終演後もなかなか抜けることがありませんでした。

    ☆☆☆★★◎


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    2010/10/03 08:15

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