満足度★★★
新星 発見!原田優一
もう通算何回目だろう、レミぜを見るのは。
10代の頃、斉藤由貴を見たさに初めて見て、さっぱり内容が
わからなかった第一印象だけは鮮明な記憶。
あれから20年の付き合いになると思うと、感慨深い。
人生の節目節目で、ロンドンやNYの旅先で、
何かしらレミゼは僕の人生の中に関わっている。
「あの時見たレミゼの頃、~だったなぁ」と
思い出の中に刻まれる。キャストが複数変わる点も
いい方向で影響がある。
この作品の素晴らしいところは、
自分が見る年代、おかれている環境、家庭によって
常に新しい感情が沸く点です。
今年に関して言えば、ずっと、「どうしてジャベールが、バルジャンを
執拗に追い続けるのか」という点と、もう一つはネタバレに書く点が
やや違和感なく観劇出来た。
大人には、意地でも貫かなきゃいけないことってあるんだよね。
さてさて
今年のレミゼの中身ですが、一番の収穫は
アンジョルナス役の原田優一24才、彼はいいね。
優しそうな顔立ちの中にも力強い意思を持つ目があり
品性もある、もちろん歌も上手い。
何より、舞台の上でアンジョルナスを演じる喜びが
全身から溢れ出て、緊張感と誇りを持って、一つ一つ
非常に丁寧に演じている。
彼はいいよ。
いつでも「モーツアルト!」ウォルフガングも
「エリザベート」ルドルフも出来るでしょう。
今回見たマリウス役の「テニスの王子様」小西とは雲泥の差。
彼は見るからに、演じる役の一つ、って感があり、
気迫や誠意が滲み出ていない。
若手役者の一つの到達点を演じているって自覚が伝わらない。
ぶっちゃけ、格好だけ。
レミゼってミュージカル作品の中でも最高峰の一つと
僕は思う。だから、その作品に参加する、出演するって
事は、とても凄い事って思うんです。
どんな芝居や作品でも、それに優劣をつけることは
失礼な話なんだけど、
レミゼは「憧れの・・・、あの・・・」と胸を張って
万人に言える作品であり、
観客も期待をする、それだけの作品と思って全員のキャストの方は
参加して欲しいですね。
レミゼの別の良い点で
既に名前が売れている役者が
メインキャストを占めるだけでなく、
たたき上げ、アンサンブルから出世して
こういった役を与えられていくって流れも
いいですね。
やはり舞台に出る回数が増えてこそ、ついてくるオーラや
上達もあるのだろうから、
作品で御客が呼べる作品には、
思いきった冒険のようなキャストも期待したい。
今回の新星発掘、原田優一24歳ではないけど、
この役をきっかけに日本のミュージカル界を背負う
役者が生まれて、役者陣の循環が活発になっていって
欲しい。
そういうえば
今回は女性陣が、、どうも薄い、薄味ですねぇ。
ガツガツするほど、熱気あふれる情念が感じられない。
みんな普通。ありきたり。
良くも悪くも印象に残らない。