地球は僕らの手の中 公演情報 劇団十夢「地球は僕らの手の中」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    物語は、説明にある通り 銀行支店長になったその日に強盗に入られ、銀行強盗をした犯人が逃亡、さらにヤクザの事務所から大金を盗んだ三姉妹、その3つの話が収斂していく。話は 二転三転しアップテンポに展開するが、何となくご都合設定のような…。そして一発芸や漫才を所々に挿入し笑いを誘うが、あまり受けていないよう。何方かと言えば失笑。

    一方、素舞台で緩い演技のように思えるが、光景や状況は想像できるところが好い。何故3つの話を繋げるのか、銀行強盗など危ない橋を渡らずとも大金を手に入れることが出来ると思うが…。何となく辻褄合わせをするため、いくつかの伏線がある。前提は その金額…ボソッと生涯収入は約3億円といった台詞がある。銀行から盗んだ金は2億円、ヤクザの事務所から盗まれた金も2億円、そこには繋がりがある。そして何故か支店長が或る方法で弁済(そんな義務はない)しようとする、その手段というか算段も…。

    一発芸や漫才、そのお笑いを挿入するのが 劇団の特徴なのか。そうであれば もう少し工夫が必要。少しネタバレするが、銀行強盗後 逃走中に警察に包囲された。その際、面白く笑わすことが出来たら、包囲を解くという交渉をする。敢えて、滑稽な描きを本編に入れることなく、ドラマとしてストレートに描いたほうが楽しめる と思う。登場人物の裏があり、一癖も二癖もある設定が面白いだけに 惜しい。
    (上演時間1時間30分 休憩なし) 【B】4.9追記

    ネタバレBOX

    素舞台。舞台技術の照明や音響・音楽といった効果はあまり感じられない。どちらかと言えば演技主体の劇団。

    ヤクザの「サブ」が組の資金を盗られた。その穴埋めをすべく、兄貴分の「アニキ」と「サブ」が銀行強盗をし2億円を奪った。その銀行の支店長「ダーリン」はその日に着任したばかり。ヤクザの2人は逃走する際中、警察の検問をどうにか突破し山中にある屋敷に闖入する。そこには三姉妹「るい」「ひとみ」「あい」がヤクザから奪った金を持って潜伏、祝宴をしようとしていた。偶然に出会った二組、しかし「アニキ」と長女「るい」は恋人同士。示し合わせた計画で2人は弟分の「サブ」と妹たちを置き去りにして逃走。しかし残された者たちが必死の追走。

    銀行を辞め妻の「じゅんちゃん」と一緒に自殺しようと、そこへ猛スピードの車二台がカーチェイスをしている。その車に飛び込み自殺を図るが、2人のタイミングが合わない。ダーリンは、盗られた金を保険金で弁済しようとしていたが、実は「じゅんちゃん」に掛けられており…。そして彼女は闇商売ー武器の仲買のようなーをしており姉妹の次女「ひとみ」に噴射式催眠ガスを提供していた。2台が衝突(追突)し、混乱している最中に、じゅんちゃんは同種のガスで2組を眠らせ、ダーリンと共に4億円を…まさに棚から牡丹餅といったところ。

    「アニキ」と「るい」は恋人で、組の資金を盗んだ相手を知っている。銀行強盗などしなくとも、その気になれば金は返せる。また「サブ」から金の情報を聞かなくとも、「アニキ」⇒「るい」を通じて知ることが出来る。生涯収入が約3億円、盗んだ金額では 遊んで暮らすには少し足りない。冒頭に登場する銀行支店長「ダーリン」は巻き込まれ被害者のようだが、この人物も 何時 妻「じゅんちゃん」に保険を掛けたか定かではないが、一緒に自殺に見せかけてといった企みへ。伏線の回収なのかご都合設定なのか判然としない。

    ダーリンは妻じゅんちゃんを騙し、その彼女はダークな仕事。ヤクザのアニキは弟分を騙し、その弟分はアニキを裏切っている。三姉妹はそれぞれ役割分担があり、長女「るい」は計画立案、次女「ひとみ」は武器調達などの実行、三女「あい」は情報収集で、サブから組に金があることを聞き出す。皆 一癖も二癖もある人物ばかりで、騙したり裏切ったりと二転三転する物語。緻密とは言えない荒唐無稽な展開だが、テンポが良いことから引き込まれるように観てしまう。その意味では飽きさせない 力 がある。それだけに 緩い笑いの場面は工夫がほしい。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/04/07 06:03

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