短編集『滴』 公演情報 幾何学おばけ「短編集『滴』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     上演された短編は全部で以下の5作品。1:凡 2:た‐る‐らぬ(以上2作が日和しいさん)、3:jelly 4:ベランダ 5:強迫(以上3作がパキケファロ長崎氏)前者は女性作家、後者は男性作家、尺は80分程。

    ネタバレBOX


     小さな空間に短編とはいえ5作品を詰め込み簡単な小道具の変化で状況を変じ漢字1文字で表されたイマージュを梃に作られた作品群を手際よく上演する技術は高い。脚本のレベルも高く、演出の手際良さ、演技の質、何れも高評価だ。上演作品総てがホラー。
    1:オカルト系のSNSで繋がった、自分の無力に追い詰められ虚無感に苛まれた者、苛められ世界に復讐したいと念ずる4人の男女らがオフ会で山奥の某所に集合。導師の示す手順に従ってある儀式を実行すると呪った対象に凶悪な呪を掛けることができる。この顛末を描く。
    2:古びているが大きな屋敷に独りの女が現れる。こんな夜更け、而も女性がたった1人でどうやら廃屋となった館に何故忍び込んだのか? 金目の物があれば盗んで換金する為であった。彼女はそこで2体の大きな人形を発見した。その人形たちは彼女に気付き話し掛けてきた。「どこかにあるハズの油を探して自分達の関節に点して欲しい」というのであった。女は油を見付け点してやった。その結果・・・。
    3:雨の降る夜、ワンルーム。扉の外からは0時を迎えると30歳を迎える主人公を呼ぶ小さな声が聞こえる。孤独であるが、その孤立を通して自由を満喫できない女性。
    4:昨日からヒトの心を読む不思議な力を持つ者と暮らす女性、他人がこの不思議な生き物を評するに醜悪を以てすることも意に介さぬが、この不思議な力を有する者は例え離れた場所からでも彼女の在り様を在るがままに認められない者を何の証拠も残さず殺すことができる。
    5:或る男、眠ることができない。目を瞑っただけでも悪夢に襲われるのでそれも継続できない。実は原因があった。過去に自暴自棄になっていた折、幸せそうに列車から降りた女性を幸せそうであるが故に殺めていたのである。あとのことは説明の要などあるまい。

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    2025/03/23 19:57

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