COUNT10 〜十離詩・夢十夜〜 公演情報 街の星座「COUNT10 〜十離詩・夢十夜〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    薛濤という人の人生と詩作をいくつかネットで調べて見て、『おそらくこうだろう』的な流れのイメージはあった。

    舞台を観ていて、実際、構造としては上記に近いフォームというか形態のようだったのだけど、ただ観ていてどこかでそこだけではくくりきれないというか、溢れ出す何か、というのか、何かに似ているというか、引っかかる感じがしていたのだけれども…それが何だろうか?と、舞台に出てきた小道具とか、流れだとかをいろいろとを思い返して…それが何か?喉につっかえて思い出せないが、ただそれを思いついたら、きっとそのイメージに全て持っていかれそうな、それは何なのか?むしろ思い出さないほうが良いのではないかなどと思いながらぼんやりと歩いていた。

    …いつもは電車でまっすぐ帰るのだけど、明日は休みだしバスに乗ったりして少し長めにゆったりと行こうと、街ゆくあしたは土曜日休みだし華金な雰囲気のほころんだ人々の顔を眺めながら、気付いた。気付いてしまった。それで文字通り全てが予想通り持っていかれてしまった(苦笑)…ただ、それをここで書くとみる前の人たちに先入観を植え付けるかもしれないので、ネタバレに書きます。ネタバレと言って良いほどのものかは知らないけれど…

    ネタバレBOX

    十の転落の人生。詩作。繁栄のただ中の長安で。これは何かに似ている。何だろう?と思ったら、思い出してきた。

    2018年、まだコロナもなく、アベノミクスの勢いもあった、ウクライナの戦争もなかった平和な時代、まだ十代のビリー・アイリッシュを幕張の100人くらいしかいないステージで観た感じというのか、そのリリックを見ても不穏で不遜、そして真っ逆さまに奈落に落ちそうな不穏で不安な不思議なステージ…今考えるならそこには能天気な時代が目の前で一瞬で闇になり、不穏と不安が支配し始める不安定な時代の始まりを確実に予言していた。今みたいな派手なステージとかじゃなく、当時は必要最低限のセットだった。

    そんなビリー(・アイリッシュ)…薛濤は長安のビリーだったんだ。若い女性たちにパワーワードを与えて申し訳ない(苦笑)。

    繁栄のただ中で転落し、じきに戦乱の萌芽を感じつつ、金満の宴で詩を詠む。金持ちの玩具なのだから、指先一つでどこの気持ち悪いオッサンのところに飛ばされるか分からないが、とりあえず自分が気に入らなければ破滅しようが時の権力者に唾を吐きかける不遜さはあった(という伝説)。そういえば長安は当時の唐の西部に位置し、現代のアメリカで言うならL・Aのような場所だ。

    今まで長安というと、自分のイメージとしては最先端の仏教を西域から輸入する最前線宗教都市兼権威@唐代というイメージだった。でも、こういう作品を観ると、今まで渋谷だと思っていた長安は実はL・Aだったんじやないかという気がしてきた。

    僕はオッサンやオタクの欲望を具現化したようなアニメ声の女優より、世の中は全員敵みたいな不遜で不敵な女優のほうがはるかにエネルギーがあって素晴らしいと思うタイプなので(アニメ声も苦手ではないです、オッサンなので(苦笑))、素直に素晴らしく感傷的な詩作(裏に悲しみや反骨心を感じる)を使いつつ、素晴らしい詩人の人生を語り、また実人生ではアル中を憎みつつ自分もアル中ロードに片足を突っ込みかけて藻掻く等身大(自分はアルコールを飲まないが(苦笑))のヒップホップ的な物語(実話ではないと思うが)を語る、優しさや癒しの要素のあまりない気がする一人芝居を素直に素晴らしいと思った。

    そういえば俳優の女性の髪型もなんか当時のビリーに似ている。当時は目の前の少女が、一瞬でブルーノ・マーズと肩を並べるビッグネームになるとは想像もできなかった。

    でも、薛濤って人、考えれば考えるほど、ビリーだよ。日本でこんな感じの女性作家がいる?いやなんか、たぶん普通に文章で読むだけなら全くそんな頭に残らなかった。目の前でビリーっぽい髪型の女優が髪振り乱してアル中と薛濤の酔っ払ったんか知らんが当時めっちゃ権力あった男に酒宴でモノ投げつけた(事実なら酒宴は凍りついたろう)伝説を繰り返し語る一人芝居見てなんか、今の自分たちの等身大のストーリーなんだと、ようやく気付いた。帰り道だけど。

    なんか夢十夜あんまり書けなくてすみません。

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    2025/03/21 23:05

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