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淵に沈む
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名取事務所「
淵に沈む
」の観てきた!クチコミとコメント
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住み込みの女(556)
実演鑑賞
満足度
★★★★
ネタバレ
ネタバレBOX
内藤裕子『淵に沈む』を観劇。
昨年の『カタブイ1995』から追っかけている演出家の新作だ。
八王子市の精神科病院・滝山病院事件が元ネタになっている。
あらすじ:
統合失調症の三男を二〇年も精神科病院に預けている母親は、息子の症状が寛解期あると主治医から伝えられ退院を勧められるが、長男、長女は反対し、病院長までもが経営の為か?首を縦に振らない。看護師らの患者への虐待という報告が上がり、精神保健福祉士は自分の身を切るつもりで内部告発をし、病院長に掛け合うのだが…。
感想:
長期間、息子を病院に入れた家族の苦悩、一日も早く退院をさせて社会復帰を願う主治医、病室を満床にして経営を優先にする病院長、患者を虐待してしまう看護師など、様々な視点で目を背けている暗部を見つめることが出来る。90%が民間の精神科病院で成り立っていて、国があまり触れない精神疾患への偏見がおのずと見えてきてしまう。
途中に日本国憲法、障害者基本法、スイス・ジュネーブ障害者権利条約を説明しながら進めていく技法は『カタブイ1995 』でも行っていたが、『人間が生きていく権利とは?』について掘り下げていく。
ややお堅い芝居になりながらも、正義と悪という構図が作られているので、精神保健福祉士が退職覚悟で病院長に切り込んでいくクライマックスに熱いものを感じずにいられない。
決して逃げはせず、理想に向かっていく姿勢こそがメッセージなのだ。
そして患者が吐く最後の一言が、精神疾患を救う最善策だとも思えるのだ。
見応えあり!
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2025/03/13 22:03
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