女性映画監督第一号 公演情報 劇団印象-indian elephant-「女性映画監督第一号」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    出世作となったケストナー伝から、ずっと見ているが、今回はコミカルに笑えるところが多く、「蒲田行進曲」「青空」という、舞台で歌う音楽も多用して、表現の幅がまた広がった。しかも映画作りと女性の進出という柱のテーマが、ラストになって、満蒙開拓団の花嫁たちの悲劇にぐーっとシフトする。展開の意外さと複数のテーマを無理なくまとめた手腕はさすがである。

    俳優たちも主役以外は、三役をやり、さらに劇中劇の黙劇の登場人物(名前はない)をいくつもやって、着替えに次ぐ着替えの大活躍である。9人の出演だが、十数人いるような誤解をしたくらいだ。主演の万里沙が数奇な運命に翻弄される板根を熱演。溝口健二の妻を演じた佐乃美千子がかわいい女の華やかさ、強さ、弱さを好演した。

    ドイツの女学校の生徒たちを描いた「制服の処女」の内容を見せる黙劇は、白と黒の縞模様の制服で、面白い趣向だった。そのほか、人生の一場面一場面が書き割りにならずに生き生きしていて、楽しんでみられた。

    ネタバレBOX

    開拓団の女たちが映画撮影で使った「包丁」が、ソ連侵攻に立ち向かう「武器」になるところで、何の守りもなく放置されたことを象徴している。包丁を構えてずらっと並ぶ、悲壮な姿。知識としては知っている事柄を、舞台の上でスマートに見せたと思う。

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    2025/02/12 12:43

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