実演鑑賞
満足度★★★★
10歳娘と観劇。
世田谷区北沢が下北沢と上北沢に分裂したのち、上北沢が"神北沢"に改称し東京全体を支配する...というめちゃくちゃくだらない物語(最高ですよね)なのですが、"シモキタ"という文化の喪失と戦う若者たちを等身大で力演する俳優陣の姿に思わずグッときてしまう。それはやはり≒演劇であるし、また、花まる、北とぴあ、そして重要な場面で叫ばれる「インディペンデントシアター!(※from大阪)」と多出するワードに通底する王子への愛着も演劇を愛する者には殊更グッと響く。
演劇やライブなどのパフォーマンス活動がエネルギーの無駄遣いとして規制され、破った者には厳罰が下る、という設定も一見破茶滅茶なコメディ展開に見えるけど、震災時などには実際に挙がった声でもあるので、その実切実なテーマであったりもする。
表現や創作などの文化活動が国や世界、そして人々やその暮らしにとってどういうものであるのかというクエスチョンは普遍的かつ表現を生業にする以上必要不可欠な問いかけであるし、それが若手カンパニーによってめいいっぱいくだらなくパッケージされた喜劇世界の中で叫ばれる、というのはやはり胸を打つものがありました。
そして、観終わって初めて気づいたのだけど、タイトルもUnder=下 North=北!!!
(以下ネタバレBOXへ)