実演鑑賞
満足度★★★
『赤毛のアン』といえば「世界名作劇場」、高畑勲監督な訳で宮崎駿、近藤喜文の磐石の布陣。今も鮮烈に焼き付いている。ガキの頃からこいつらアニメの天才の才能を存分に見せ付けられてきたものだ。それ以来、原作も映画も観たことがない。一体、あれは何の話だったのか気になって観てみた。
19世紀末(1897年)カナダのプリンス・エドワード島にある田舎町、アヴォンリー。マシュー(飯野おさむ氏)とマリラ(大橋伸予さん)の老兄妹は農作業の手伝いの為にノヴァスコシア州の孤児院から男の子を引き取ることにする。本土から船と機関車を乗り継いでやって来る彼を駅に迎えに行くと、居るのは11歳のそばかすだらけの痩せた赤毛の少女。お喋りで空想癖で劣等感の塊で悲観的で癇癪持ちで感受性ビンビンのアン・シャーリー(三代川柚姫さん)。人間違いだと孤児院に返す筈がいつのまにか彼女に夢中にさせられていく老兄妹。唯一の武器は心の純粋さだけ、そんな一人の少女が小さな町で生命を輝かせていく。
三代川柚姫さんの魅力に尽きる。これぞアン。そうなんだよ、この面倒臭いキャラ設定。リアルに周囲にいたら皆うんざりするかも知れない。この原作が名作なのはアンの造型に全くの嘘がないところ。原作者ルーシー・モード・モンゴメリ自らの少女時代の投影でもある。凄い主人公だった。
ダイアナ役の林明梨さん、スグリ酒でベロンベロンの名シーン。
恐怖のブルーエット夫人(杉山由衣さん)。
名曲、「アイスクリーム」の歌。
パフスリーブへの想い。
是非観に行って頂きたい。