実演鑑賞
満足度★★★★★
老舗和菓子店のお話。人物像がひとりひとり細かいディテールを機密に丁寧に作り込んでてとても人間くさくていい。その場その時間だけの創られた人間じゃない親しみを覚える。そんな人物達の織り成す物語がこの和菓子店に流れた時間をしっかり観せてくれる。
時間の描き方がこれまた素晴らしくて。年月はグイグイ進むしその経過があるからこその環境の変化にも説得力があるし、春夏秋冬の季節の移り変わりの描き方が秀逸。この春はあの冬の続きではなく何年も経った春みたいな。この和菓子店の歴史を一気に大河にする。
舞台美術がこれまた素晴らしい。おったまげました。幕が開けるまでは、なんだか幾何学模様で和風な雰囲気あっていいなぁ、でもシンプルだなぁと、ここでどんな物語が?って思っていたら。忍者屋敷なの?そこにそんなのが!?って。すっごい楽しい。めちゃくちゃ職人の技。
クライマックスのあの二人の場面は。。。
わたしならあのような状態になってる人にどんな言葉をかけたらいいか分からない。途方に暮れると思う。だからこの人はどんな言葉を言うのだろうか?と固唾を飲んで見守ってました。そうか〜って。それまでのその人の描かれ方があったからこそ活きる。
あの場面が一番好きでした。一言一句、良かった。そうなんだよなぁ、そういうことなんだよなぁ、こういうことなんだよなぁって。染みた。うん、もうまるっとすべからくやっぱりMONOさん好き。最後にあんな報で締めちゃうとこまで込みで(笑)あぁ〜お饅頭食べたい。