実演鑑賞
満足度★★★★★
㊗上西雄大さん 60周年記念公演…面白い。
タイトル「ホーネット加藤」、その面白可笑しい前説で盛り上げ そのまま本編に入るが、そこでの生業も前説という設定である。公演の魅力は、父親の娘を思う気持ちと胡散臭い男を見るような娘、その心情的な距離がどう縮まっていくのか。そんな物語をテンポよく展開し、時にボケとツッコミの漫才のような場面を挿入し楽しませる。テンアンツらしい笑いと泣き、その感情の揺さぶりが凄い。
手際のよい舞台転換によって、瞬時にその状況や情景へ誘われる。少しネタバルするが自転車を使った場面などは映画のワンシーンを見ているような感覚。またスナックでのカラオケ場面を始め、所々で歌を歌い和ませる。「劇」小劇場という空間、そこに1970年代のカンフー映画へのオマージュというかパロディのような世界観を持ち込んだエンターテインメント。ホーネット加藤の顔つきやアクション、そして衣裳がその映画を連想させる。上演時間は2時間を超えるが、アッという間の感覚だ。勿論「vol.1 燃えよ前説ドラゴン」も観たくなる。
(上演時間2時間15分 途中休憩なし)【ドラゴン孤独の鉄拳】