実演鑑賞
満足度★★★★★
久々の燐光群。日常の忙しさのなかでさばくように毎日をこなしていたけれど、たまに普段考えない泡盛の歴史に思いを馳せるとそこには風味豊かな世界が広がっていた。
泡盛の原料クースを戦争のなかでも守ろうとした、または戦争を生き抜いて発見した人々の魂を垣間見て、代々に受け継いでいく生業の深さを感じた。いつも同じようにやっているのに、温度やそのときの環境で微妙に違うものが生まれる。泡盛作りとはまるで芝居のようなものだなと思った。いつもまったく同じというわけではない。それが生き物であり、芝居であり、それだからこそ絶望もすれど希望も生まれる。ほんわかした気分で劇場を出られたのは、沖縄のほがらかさに自分も感化されたからか。