にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫ 公演情報 クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)「にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    クロカミの別な一面が魅力
    銀座でのクロカミの番外公演も3回目。舞台装置や売店など、アットホームな手作り感が温かい。
    毎回、出演していない劇団員が調理したフード販売が名物企画で、今回は作品にちなみ、久米靖馬による「給食風大学芋」。
    毎回、購入してきたが、今回の大学芋もあっさり味でオススメです。
    番外では外部作家の脚本を野坂実が演出し、ユーモラスな要素はあるが、本公演のコメディーとは違う面を見せている。
    今回はフライングステージの関根信一の書き下ろし。
    なお、休日のオフィスということで、セキュリティを心配する書き込みもあったようだが、会議用のレンタル・スペースであって、企業のオフィスを休日に借りているわけではないので、ご心配なく。

    ネタバレBOX

    2年1組の保護者懇談会が舞台。担任教師・榎本(ワダ タワー)と算数教師・二階堂(加藤裕)と8人の保護者たちが話し合ううち、それぞれの家庭環境や親子関係が浮き彫りになっていく。
    遅刻してきた平山(小濱晋)が、偶然二階堂の高校時代の同級生であることがわかり、平山に対して旧知なだけにタメグチで二階堂が怒る場面が可笑しい。加藤は劇団員の中ではただ一人番外初参加で、硬派で生真面目な教師役が似合い、温厚な榎本との対比がよく出ていた。ワダと加藤のコンビの演技が観られるのも今回の楽しみのひとつだった。
    疑問を感じたのは平山がキャバクラ勤務で、休憩時間に店の名刺を親たちに配って宣伝する場面。女性なのでキャバクラには行くはずもない教育熱心な母親たちがそれほど嫌な顔もせずに名刺を受け取るのに違和感があった。また、「酒を飲むのは仕事」と言っていたが、キャバクラなら男性従業員まで酒を飲む必要はないのでは?平山がゲイバーのホステスかホストという設定なら、男女の別なく名刺を渡したり、「酒を飲むのが仕事」というのもわかる。今回、関根はフライングステージの芝居とはまったく違うものを書きたかったのだとは思うが、「水商売」の描写については意識し過ぎたのか、逆に不自然さを感じた。
    障害物競走で保護者の参加者を前もって決めようという教師側の提案から事態が変化していく。フライヤーにあった「パン食い競争」の話は出てこなかったが、無難な方向で事態が収束し、親たちが童心にかえるラストシーンがさわやかだった。
    番外公演は、毎回、客演者も適役がそろい、クロカミが爆笑だけを狙う劇団でないことを証明してくれている。今後も続けてほしい企画だ。
    先日、高橋いさをの「正太くんの青空」を観たとき、クロカミの番外公演にも適した作品だと思ったが、今回、小学校の保護者会ものだったので、改めて「正太くんの青空」のことを思い出した。
    奇しくもこのところ、謀略めいた殺伐とした作品の観劇が続いたので、こういうほのぼのとした作品に出会うとホッとする。


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    2010/09/13 14:15

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