実演鑑賞
満足度★★★★★
演劇は、その作者の主張が強く表れ、時に観る側が取り残されることがあります。モヤモヤした状態で話の内容に入っていってもよく分かりません。そんな経験が時たまあるものの、今日の芝居の導入、とても上手い。簡単に言ってしまえば分かり易いのです。何故「ジキル」かも最初に語られ、状況設定を明確にしています。殺される教え子は出てきませんが、登場人物の数、休憩無しの1時間50分も適切だと思いました。サンモールスタジオ、約100人程度の収容人数の小劇場、濃密な環境です。大学内の人物が事件の対応に右往左往、議論を重ねます。学校の隠蔽体質がよく描かれています。もっと早く警察に連絡していれば、さらなる悲劇は避けられたのではないかと思いました。大学職員・阿久津役の清水ひとみの演技が一本調子になりがちな芝居を和らげてくれました。