清水那保一人芝居 ~曇天少年/共震少女~ 公演情報 ネリム「清水那保一人芝居 ~曇天少年/共震少女~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    涙する、ストリップ。

    女優自身が脚本を書き、一人芝居で演じるという企画。

    「自身の脚本」というところに興味を持ち、観劇した。



    清水那保という俳優は、好きだし応援しているのだが

    長い間顔を観ていなかった。最後に話したのは2年前である。

    当時の自分から見た清水那保は、役柄が憑依したかのように見える

    高い集中力を持った役者で、感情の起伏が激しく、

    己の力を持て余しているような印象だった。

    脚本・演出家の手によって、様々な化粧が加えられ

    商品化(料金をとる状態)にこぎつけている印象だった。

    本来、俳優は俳優に専念していればよいのだから

    それでもよいのだが、自分はもう少し監督と選手が

    フラットな関係でゲームメイクをするチームを観るほうが好きだ。

    (化粧「してもらう」ってのはペットみたいでどうかと思う派である)



    今回の作品は演出家がいるものの、

    脚本の言葉そのものは清水那保の果汁を絞ってできている。

    つまり、自分でも化粧している。

    そこがフレッシュだった。(良い意味で)ほとんどストリップだった。

    そして、久しぶりに観た清水那保のプレイは

    以前とは印象が違って、冷静だった。

    もちろん、まだ20代半ばだし、俳優としてのスキルアップや

    人間として成長したことも、印象が変わった一因だろうと思う。

    でも、最大の要因は

    「自身の脚本を一人で上演した」ことにあったように思う。



    複数の人間を演じ分けながら、時間軸をクロスカットで転換させ、

    その度に衣装・小道具に魔法をかけて年齢も性別も変えていく。

    そんなアブストラクトのDJのようなスキルフルな操作をしながら、

    物語から集中を切らさず涙する。

    (「私はお母さんの子であればいい」という台詞、染みた。)

    情熱と冷静のバランスがすごく良くて心地よかった。



    本業が脚本家ではないことなんて、どうでもいいと思った。

    その人がその人の物語を喋ることの面白味、

    それによって育まれる俳優のバランス感覚、

    観る側にも演る側にも有益だったと思う。

    もっとこういった企画が増えて欲しい。

    あ、そういえば、今年の春に観たこれ↓も近い魅力があったな。
    http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=62511

    企画と清水那保にビガップ!!!

    ネタバレBOX


    うー

    あー、

    うまく言葉で説明できず、申し訳ないですが

    急に訪れたあのエンディングが引っかかったので

    ☆を5つではなく4つにしました。

    何故だか、あそこだけ安く感じられてしまった。

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    2010/09/06 00:03

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