実演鑑賞
満足度★★★★★
絵画では注目させるべき人物像だけを鑑賞者に一点集中させるテクニック、そんなテクニックがあるという情報をたまたま仕入れたばかりでしたが・・・生きた人物・人生が鮮明に浮かび上がり、人物そのものを存分に堪能できる演劇テクニックがあるとすれば、まさに本公演がそれではなかったかと
言うはやすく行うは難し、これほど類いまれなスキルを持った劇団さんを自分は他に知らない
閃光、雨、蠢く人の姿・・・何故にそんな態度を・・・どうしてそんなひどい事を・・・何度鳥肌が立ったか分からない
それは人の心に蛇を見たせいか、鬼を見たせいか、底知れぬ哀しみか、それとも悦びだったのか
一筋縄ではいかない人の業がとにかくエグい、エグすぎる
お岩さんの幸福観とは何だったのか、まずはお岩さんから順繰りに登場人物達の生き様に思いを巡らせていきたい
そうでもしないと もの凄い舞台を目の当たりにしてなかなか興奮が収まりません
2024/10/06 02:46
2024/10/06 00:55
原作小説をかなり忠実に舞台化した公演というのはこれまで観たことがあったものの、地の文をそのまま生かしての公演というのは初めてで、しかも人、光、音の総合力でここまで凄まじい小説世界(小説を生きる人物達の世界)が表現できるというのは本当に驚きでした
「絶対に近寄れないオーラの人」だったお岩さん=松井さんが舞台後には「柔らかいオーラの人」全くの別人に代わっていたのは二重の驚きでした
どの役者さんに関しても然り
観劇中は小説からそのまま飛び出したような役者陣を厳選、という印象しかなかったのですが“演じる”というのは本当に凄いです
原作本、読んでみたいと思います、ありがとうございました。