失敗の研究―ノモンハン1939 公演情報 秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場「失敗の研究―ノモンハン1939」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    何のてらいもなく、真面目に愚直にノモンハン事件の愚かさを、関係者の証言であぶり出していく。辻正信の怪物ぶりがなかなか印象的だ。そういう誇大妄想的好戦家を陸軍が愛したというところに、当時の日本のゆがみが最も表れている。
    終演後、青年劇場のFさんが「ど直球ですいません」というので、私は「初心を思い起こさせられました」と答えた。

    ネタバレBOX

    後半、女性編集者の沢田利枝(名川伸子)が問いかけるのは、「どうやったら、戦争を止めることができたか」、関東軍は「東京が止めればよかった」と言い、東京の参謀は「現地の責任」という。責任の押し付け合いである。丸山眞男も言うように、当事者の「責任」こそ大事なカギだ。ノモンハンでは、実際の指揮官・立案者の責任は問われず、現場の良心的指揮官が撤退の責任を取らされて自決を強いられた。

    戦争をなくすために必要なことは「生命の尊重を全人類が自覚すること」、「失敗から学ぶことをあきらめてはいけない」の沢田の訴えは、書生論に響くが、でも決して忘れてはいけない、戦後の原点だ。

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    2024/09/22 17:33

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