おかしな二人 女性版 公演情報 劇団つばめ組「おかしな二人 女性版」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    20世紀アメリカシチュエーションコメディの金字塔、その表層の面白さは十分伝わったが、少し気になるところも…。

    さて、物語は 性格等の違う二人の中年女性が同居したことによって起こる心や生活の変化を可笑しく描きつつ、ちょっぴり悲哀も感じさせる。原作では中年男性が主人公であるが、この公演では女性版として別の「おかしな二人」を立ち上げている。勿論、いくつかの設定を変えることで違和感を抱かせない。

    原作はトニー賞(演劇作者賞)を受賞した有名作品、その物語の核となる二人の性格等の違いを強く印象付けるような舞台美術や技術(特に照明)が巧い。少しネタバレするが、ずぼらで時間にもルーズなオリーヴ、一方 清潔好きで潔癖なフローレンス、その二人を青と赤、まさに信号機の進めと止まれの真逆を思わせる照明、また部屋に乱雑に置かれたダンボール箱のテープの色も同様。よく見ると上手 下手の壁の色彩 柄も変えるなど演出に細かい工夫を凝らしている。
    (上演時間2時間 休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は オリーヴの家(リビング)。中央にテーブル、ソファと椅子。その奥に窓があり外の高層住宅の風景がニューヨークらしい。上手・下手に出捌け口、下手客席寄りに電話。ダンボール箱が雑然と置かれており、住人の性格を表しているよう。ちなみに上手と下手の壁色と柄が違い、そこに物語の肝となるオリーヴとフローレンスの性格の違いを示しているよう。

    女性版であるから、原作のポーカー仲間を学生時代の友人へ など、いくつか設定を変えている。同年代、それも中年女性の恋バナをメインに これからの生き方も絡め迷いが出始めた。同時に過去の恋も引きずり、もがいているといった姿を滑稽に描く。そこに性格の違う女性2人が、同居したことによって巻き起こる騒動が可笑しい。ずぼらと潔癖という真逆の性格、それをダンボール箱を用いて一瞬にして分からせる。オリーヴは夫と別れ、少し未練がましいが気ままな1人暮らしをして8か月。フローレンスは夫から別れを言われ…。オリーヴの家に集まっている学生時代の(ボードゲームに興じる)仲間が彼女の自殺を心配し、この家へ同居するよう勧め 仲違いするまで3週間。そんな愚痴ともとれる台詞が印象的だ。

    仲直りの術として、同じマンションの住人(スペイン人?の兄弟)との恋愛を画策するが…。気になるのは、この男(兄弟)の登場が、それまでの可笑しさと違った雰囲気を漂わせていること。バックボーン、国籍 言語の違いによるチグハグというよりは、もっと別の違和感・不自然さが残った。強いて言えば女優陣の演技と男優2人の演技、その表現の相違だろう。確かに女優陣もドタバタした演技はあるが、そこに至る理由等が語られる。一方 男優は不必要または不自然と思えるオーバーアクションが気になる。敢えて異なる演出にしたのだろうか。

    舞台技術…照明の諧調による変化は時間の経過、オリーヴとフローレンスの夫々の心情 吐露、その光景を印象付けるためのスポットライト(青と赤)は見事な効果。また場面転換をしっかり現すため女優陣は衣裳を頻繁に変える。その観(魅)せ楽しませるといったサービス?も好かった。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2024/08/25 06:33

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  • ご観劇いただき、誠に有難うございました。
    スペイン人兄弟のオーバーゼスチャー、オーバーリアクションはキャラクター的な味付け、それと2時間もの長尺の芝居の一番中弛みが起きる時間帯への対策、後半のシリアスシーンをブリッジする目的で演技に取り入れました。確かに賛否分かれるところかと思います。貴重なご意見、重ねてありがとうございました。

    2024/08/31 14:43

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