カズオ 公演情報 世田谷シルク「カズオ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     舞台美術は極めてシンプル。ホリゾントに衝立を設け場面によってその中央部分を開閉することができる。閉まっている時は、袖を形成することになる仕掛けだ。出捌けは袖両側とセンターの3か所。板中央に横長のテーブル。奥に椅子2脚、手前にベンチ。尺125分。こなれた演技だ。華4つ☆(追記8.2 )

    ネタバレBOX

     2人の役者が十二役を演じるのは脚本自体がそのように組み立てられた作品だからであり、役者の技量、早変りの際の手際など役者のテクニックを観客に見せるタイプの芝居がコンセプトだと感じたが、であれば主要な要素であるタップダンスシーンでは、キチンとタップを刻んで欲しかった。タップの基礎を何度スローモーに繰り返してもタップダンスの切れの良いリズミカルな高揚を観客は味わうことが出来ない。利賀村の演劇フェスにも参加しているらしいから実力派なのだろう。それはこなれた演技からも充分分かるが、であれば猶更キチンとタップダンスを見せて欲しかった。率直な感想である。
     物語は銀行支店長を勤める父が偶々駅でカズオという男を拾い家へ連れてきた。カズオは息子の家庭教師となりいつしかその母と男と女の関係を持つようになった。母はカズオに入れ挙げて様々なブランド品を貢ぐようになり父が家庭の資産管理をもして居た為、母は貢物を買う金をサラ金から借りていた。その額総額300万円。この件に気付いた息子は狂言詐欺を思いつき、自分は誘拐されたことにして身代金を要求するが、上手く行かなかった。そこでモデルガンを買い込み、友人と父の務める銀行を襲う。無論強盗する為である。然し12歳のガキ2人の稚拙な犯行、忽ち取り押さえられてしまった。父は銀行を止めタップダンサーになった。その顛末が描かれたのが今作という訳である。

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    2024/07/15 11:38

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