『口車ダブルス』 公演情報 劇団フルタ丸「『口車ダブルス』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/07/12 (金) 14:00

    講談の醍醐味は、観客をMAXまで盛上げる語り手の熱さ、リズミカルで大仰な節回し、
    ト書きも台詞もメリハリつけてすべてこなすマルチぶり・・・と数々あるが
    そのすべてを存分に発揮する舞台だった。講談師のお二人、お見事!

    ネタバレBOX

    客入れの時から講談が流れている。よく分からないが「徳川天一坊」と「赤穂義士伝」?
    聴いているうちに、そのリズムが心地よくなってきて期待が高まる。

    明転すると高座が二つ、二人の講談師が「第三生命」の営業部員をひとりずつ
    紹介しながら物語は始まる。
    この講談師がストーリーを回し、登場人物の心情を解説したり補足したりするのだが
    驚くことに普通に営業部長として台詞も言ったりする。

    クセ強目のメンバーが揃っていてキャラのバリエーションは申し分なし。
    彼らのバックグラウンドの描き方、業界あるある、個性豊かな保険の売り方など
    盛りだくさんな情報も、講談師が整理してくれるので解りやすい。

    講談らしく人情噺的要素もたっぷりで、スタッフの成長を促し見守る人々や、
    がんを宣告されたスタッフが昔のバンド仲間に会いに行くところなど
    人情に訴える講談の魅力が随所に生かされている。

    口跡も鮮やかな講談師二人(真帆・篠原友紀)が舞台を牽引して素晴らしい。
    ドラマチックな講談調が、誇張気味のキャラにマッチして相乗効果抜群。
    講談に負けない役者さんたちの熱演に惹きこまれた。

    このスタイルの作品は、役者のパートと講談のパートのバランスが難しそう。
    登場人物のキャラが弱いと講談に負けて、芝居が講談のおまけみたいになってしまう。
    二つのパートが拮抗するところに緊張感とリズムが生まれて面白くなる。
    2つの高座が移動するのも(動かすの大変そうだが)時間の流れが大きくうねって良い。

    この講談シリーズ、すごいですね!
    いろんなシチュエーションでまた観てみたいです!

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    2024/07/13 21:22

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