かなかぬち 公演情報 椿組「かなかぬち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    外波山文明が主宰する椿組恒例の夏の花園神社の野外劇も、今年39回で幕を下ろすという。はっきりとは言っていないが、たぶん地域の中でこのような興行に風当たりが強くなったからだろう。一方では、地域イベントが求められているのに、外波山としては残念なことだろうと思う。短躯の脇役俳優のどこにこの興行にこだわった原点があったか、小劇場らしい理由はいろいろ伝えられているが知らないほうがいいような気もする。
    最終公演は中上健次の知られていない戯曲を青木豪が演出した2時間。雨が降って、緩めの満席だったが、例年通り、最後にはテントを開け、土の舞台では俳優と観客が飲むイベントも盛り上がったことであろう。当日パンフには過去の上演リストがあって、この本は和田喜夫演出で13年に初演している。39年間の個々の演目では、小劇場のスターたち(例えば、唐、寺山、野田)を外して、独自路線でテントで大衆観客とのつながり(言ってみれば新宿三丁目路線とでもいおうか)を求めようとしてきた。俳優も椿組の俳優だけでなく、飛び入りも歓迎らしく種々雑多な小劇場・新劇のの俳優・演出者が参加してきた。。
    今回も、当日パンフに顔写真がある役者だけで四十数名、主演に松本紀保と山本亨を迎えて、南北朝時代の吉野の山中の異郷の住人かなかぬちを軸に権力からこぼれた庶民劇が展開する。歌あり、殺陣あり、メロドラマあり、白毛の巨大な獅子が登場するスぺクタルあり、の賑やかな祝祭劇的なシーンが次々と展開する.青木豪はよくまとめた。
    助成金は出ているが、次に立ち上げるのは容易ではない独特の演劇界の夏祭りのフィナーレである。

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    2024/07/13 09:46

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