この世界は、だれのもの 公演情報 ながめくらしつ「この世界は、だれのもの」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ながめくらしつの作品を拝見するのは初めてであり、ジャグリングと音楽をメインとするパフォーマンス集団と聞き、また過去作品の映像も見ていたことから、元々期待値は高かった。作品における技術面でのクオリティは、その期待を決して裏切ることはなかった。

    ネタバレBOX

    「他者への関心」をテーマとする本作では、各人が他の出演者と、ダンスやジャグリングを通して距離を縮めたり広げたりする様が描かれた。それが時に暴力的になったり、慈しみを感じさせたりする表現力からは、技術力の高さだけではなく各パフォーマーの演技力と協調性の高さも窺えた。
    特筆したいのは照明と音楽の美しさである。観客との距離が近い劇場でのパフォーマンスは、しばしば観客に閉塞感も感じさせがちであるが、照明は劇場を本来よりも広くかつ幻想的なものに感じさせており、そこに加わるイーガルによる音楽も、それだけでパフォーマンスとして成立する程に観客を惹き込むものであった。
    総じて技術力の高い上演であったが、(むしろ各人の技術力の高さゆえか)全体としてまとまりがあったとは言い難い。テーマとなる「他者への関心」についても、深掘りできていたとは言えず、観客の方が寄り添ってようやくテーマが見えてくるものとなっていたと言わざるを得ない。コロナを経て他者という主題について観客もより敏感になっているため、その点についてはより深める必要があっただろう。
    したがって、技術力の高さと比較して、作品としてのまとまりに欠ける散漫な印象を受ける公演となっていた。

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    2024/06/26 11:13

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