さるヒト、いるヒト、くる 公演情報 ポケット企画「さるヒト、いるヒト、くる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    北海道をめぐる歴史や課題にかかわるワードやエピソードが散りばめられている本作。

    ネタバレBOX

    説明的ではないことに表現としての矜持や生活の手ざわりの重要性を感じる一方で、どこまで誰に伝わるのだろう?という疑問もありました。これは私が北海道で生活してきている人ではないからかもしれません。(ただ、東京でも上演する、ということだったので、ワードをふんわりと知っているけれどその地に実感を持たない観客がもしいるのなら、作品としてどう受け取られるのかの懸念もありました)

    北海道やアイヌに関わる言葉や背景以外にも、台本を読んで初めて気づいたことが多くありました。気づかなくても成立していますし、作品を損なうものではありませんが、伝わっている方が面白がれたかも…と思うことも。

    ツアー公演を踏まえてだと思いますが、風船などをつかった移動しやすい舞台美術は、明るさと暗さをあわせもち、自然の雰囲気もよく出ていて良かったです。音響も、音量や方向性など意図的に配されていました。全編をとおして、手をかけ頭を悩ませた創作の堅実さを感じました。

    上演では、広い道内の同世代の作品との同時上演を企画したり(しかも新作)、トークテーマを「北海道の演劇についてトーク!北海道での生活、アートとの関わり方が作品創作にどんな影響を与えているのかを考えてみます」としたりと、自分達のいる場所、自分達の立つ足元を踏みしめようと感じられる、地に足のついた創作と上演に真摯さと力強さを感じました。
    北海道の演劇の未来がとても楽しみです。

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    2024/06/26 10:17

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