実演鑑賞
満足度★★★★
今回も茨城弁の日常風景を切り取った会話劇。堪能した。
おなじみ用松亮と坂倉なつこ(奈津子改め)の夫婦役コンビに、娘(安川まり)とその婿(浅倉浩介)がまた「らしい」。
同じカフェスペースを訪れ隣のテーブルに陣取るカップル(伊島空・青柳美希)も、地元で結婚を控えた風情で年代差もうまく出てる。
後者の話題が序盤は聞き取れず、両グループ同時進行とは言え(青年団のように)重なる事なく聞き取れるが、序盤での若者コンビの方の会話は四人組に比べると少々理解に難があった。中盤以降漸く会話とそこに込められた感情が見えてきた。
この二組同時進行の会話劇が、今回の試みであったが、まずまずであった。
古い夫婦像がモデルになっていると感じるが、2020年代の今も、ああいう感覚は生きているのだろうか。坂倉演じる母の「曲げなさ」が見物だし、用松父のあの感じ(うまく言えない。そういう領域を表現しているんである)も相変わらず良い。
地元で暮らして行けてる、という所で人物ら全員がとりあえずは生活の安定が約束されてる感があるのだが、今の時代シビアな経済面への言及が、(そういう問題を忘れる時間が有難いのも本音だが)リアルを穿つ劇としては、欲しい所。
地元で教師をやっていたのが黙っていなくなり、最近東京でNPO活動をやってる事が分った友人が、若者カップルの主な話題で、そのあたりで微かに触れてはいるのだが。