椿姫 公演情報 新国立劇場「椿姫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    何度聞いても、ほれぼれする傑作。緩徐曲のあとに速い歌を組み合わせる、当時のオペラ作法にのっとったところも、2幕1場の冒頭のアルフレードの歌など、感情の変化に合っている。なかほどのヴィオレッタの歌もそうなっているのは、少し滑稽な感じ。でも変化がついて楽しめる。

    今回は2幕1場のヴィオレッタとジェルモンの駆け引きの二重唱が、感情の変化とドラマを一曲に乗せて発見があった。聞きごたえ抜群であった。この曲が、アリア中心のオペラから、演劇的オペラへの転換を促した画期的曲というのも分かる。これはワーグナーも同じ方向で、さすが、ベルディと同い年というのはダテではない。ベルディは「オテロ」や「ファルスタッフ」で、演劇性を一層徹底させる。一方、もっと時代の下るプッチーニの方が少々アリア中心に戻るのはまた興味深い。

    ジェルモンの歌う「プロヴァンスの海と陸」は有名な曲だが、2幕2場のクライマックスのジェルモンも参加する歌、3幕のヴィオレッタの別れの歌も、メロディや伴奏が共通している気がした。全く同じとは言えないけれど。

    ヴィオレッタの中村恵理が好演で、高音の伸びは絶品。アルフレードのリッカルド・デッラ・シュッカもまけてない。ジェルモンのグスターボ・カスティーリョもいい声を聴かせてくれた。

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    2024/05/25 23:08

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