期待度♪♪♪♪♪
1日の為に1年を掛ける。そこまででは無かったものの、ピープルシアターが「焼け焦げる魂」(日本初演)と訳されたワジディー・ムアワッド作品を芸術劇場で上演した際には、原作者のワジディー本人や、初演に出演していた役者も来日していたので直接話すことができた。練習期間などについてワジディーに質問すると矢張り1年と答えた。流石に欧米等は演劇等の諸芸術に対する理解が深く為政者サイドでも大切にされているとしみじみ感じたものだったが、更に驚かされたのが「初演時に覚えた台詞総てを覚えている」と出演した役者が語っていたことである。作品はワジディーの天才性を伝えるに充分な傑作であったが、日本で公演するに至った原作がガリマールから1999年には出版されているから最低10年前。10年後でも台詞総てを覚えているとは! と絶句するほど驚かされた。だが演劇というものは、かくも深く強く人の心を魅了する。ハマヨンズの冒険、是非とも拝見したい。