実演鑑賞
満足度★★★★
優しさ 温かさに溢れた好公演。
葬儀会館を舞台にした2つの家族の物語だが、関連することなく それぞれが独立した物語を紡いでいく。逆にそうすることで、去り行く人と残された人の思いが しっかり伝わってくる。そして2つの家族に共通した思いのようなものが浮き彫りになってくる。亡くなった人からの、満たされないと思っていた愛情。しかし そこには思いもしなかった深い情愛が…。亡くなって初めて知る情の深さに涙する。そのラストシーンに多くの観客がすすり泣く。
舞台は葬儀会館の第1控室と第2控室、その特定の空間で 通夜という特別な日。そこで繰り広げられる軽妙だが滋味ある会話が心に沁みる。舞台にありがちな2つの物語の関連付よりも、それぞれの違った<情愛>を描くことによって、家族のあり様の幅を観せる。なお 家族と記したが、厳密には少し違って、そこが妙。
(上演時間2時間 途中休憩なし)【Aチーム】