実演鑑賞
満足度★★★★★
「異邦人の庭」
以前、初顔合わせ(だったかな)と言う舞台?を見たことがあって、これは本当にその日初めて台本を渡されてテーブルに座った状態で読んでいくと言うもの。今回は稽古初日ということで、台本は予め渡されていてそれを役者さんがどのくらい読み込んでいるか、あるいはいないのか分からないという状態です。
初顔合わせは、本当に初めて読む台本なので役者さんが漢字を読めなかったりすることもあるのですが、台本を渡され読んでいても思いちがい、思いこみで読めないこともあるようです。そこを稽古初日でも相方がアドリブ(というのかどうか分かりませんが)で、やんわりと訂正していたりしてさすがです。見ている方はそういう台本なのかと思っていましたので、後で聞いて驚きました。
お話は納得できないところもあったのですが、2人の役者さんが稽古初日でも役柄に入り込んでいて、見ている私も心動かされました。ぜひ完成形(舞台美術、照明、音響などが入ったものとして)を見せて欲しいです。
「屋上の男」
屋上にあるベンチに男が座っていると警備員の男がやって来る。先にいた男が驚いたのは「俺が見えるのか?」ということで、飛び降りる、止めろの攻防が始まって笑えるのですが、やがて1人の女がやって来て最初にいた男の正体がわかって来ます・・・。
こちらも面白かったです。
哲学対話
観客と出演者は演劇を鑑賞した後、円になって哲学的テーマについて議論するとのことで、難しいのかな、やだなと思っていたのでしたが、こども向けに書かれた説明にあるように構えて参加するものではありませんでした。
ディベートではないので、勝ち負けも結論もなく、ただただその時に思いついたこと、感じたことを話したい人が話すという感じでした。
「異邦人の庭」のあとは、舞台となったのが拘置所の面会室でアクリル板の壁があるということから「壁」がテーマのようになりました。
「屋上の男」のあとは主に自殺、そして生きること、死ぬこと。
みなさんの考えがいろいろ聞けて良かったです。私はほとんどの人が初対面ですし、今後会うことも無い(とも言い切れませんが)ので、気楽に話してしまいましたが、知っている人ばかりという状況だとまた違うかもしれないと思いました。
稽古初日、哲学対話、どちらも面白かったので、また機会があったら参加したいです。