ご長寿ねばねばランド 公演情報 劇団扉座「ご長寿ねばねばランド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/03/02 (土) 18:00

    座席1階

    劇団扉座がプロデュースしているシニア劇団、初の本格公演。かつて本家の扉座が初演した演目を、元演劇初心者も含むメンバーが取り組んだ。A,B両チームのうち、自分はAチームを拝見した。

    結論から言うと、相当なレベルに達していると思われる。創設から5年、精進を重ねてきた成果が花開いている。ちょっと緩いところはないとは言わないが、せりふに詰まったと思われる場面はそれほどなく、ましてやせりふが飛んだというところもなさそうだ。それぞれ、ある程度の分量のせりふをしっかり身に着けていて、前口上で登壇した4人が語る「覚えては忘れ、忘れては覚える」という毎日だったのだと思う。

    舞台はとある南のリゾートアイランド。若者が出て行ってしまい、残された高齢者が奮闘して「ねばホテル」を運営している。ホテルのオーナーは109歳、その妻84歳。客室係やシェフ、ホテルに宿泊するお客など全員が80代以上というものすごい設定だ。もちろん、実際に演じるキャストはもっと若いから見た目は若々しく、特に飛び入りで島の美人コンテストに出る女優さんは真っ赤なワンピースをまとって客席の度肝を抜いた。自分としては、パーティーに出席した時の和服がとても似合っていたと思う。
    中身はお客とホテル従業員、地元の「青年団(全員80代)」が繰り広げるドタバタ劇。尿漏れに悩む元プレーボーイ風の男性、毎回注文を間違えるウエイトレスなど、高齢社会の小ネタが満載だ。しかし、高齢であっても夢を追いかけ、恋をして、前向きに生きるというこの舞台のテーマははっきりしている。だから、ドタバタ劇でもとてもさわやかだ。

    上演時間は2時間ちょっとだが、何と途中に10分間の休憩がある。これはもちろんキャストたちの体力回復策であろう。劇団民芸などでは長尺の舞台をぶっとおしで頑張る名物女優さんがいるが、「働き方改革」の時代なのだから、お客さんのためでなくキャストのために休憩を挟むのはこれからはありなのかもしれないと思った。

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    2024/03/03 10:11

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