満足度★★★★
秩序正しく妄想催す。
身体における物理的なスピード感やら受け止めきれないほどに多すぎる圧倒的な語彙数なんかを豪雨のように浴びせられ、シーンが移り変わるごとに二乗三乗が無邪気にステップを踏みながらリズミカルに積み上がっていくようにめまぐるしく変容していく物語は、果たして正解があるものなのかすら危うい難解な数式を解くように常時追われている、そんなどうしようもない感覚に囚われたのだが、台詞のすべてが耽美で幻想的な小説のように詩的で恍惚させられた。
ねじれたアイデンティティを具象化したような大胆な舞台構造も異端な世界に花を添えていた。
『本筋がメタメタ』な物語をテクストが破綻しているとみるか否かによって評価は割れそうだが、個人的には支持したい。