実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/02/19 (月) 19:00
実話がベースの政治ファンタジー。笑ってる客が多いが全く笑えない話だと思った。88分(10分休み)70分。
広島・安芸高田市での「改革」を焦る市長と旧弊に捕われた市議会に新聞も交えた対立の物語をベースに描かれた作品。ほぼ実話と同じ展開のようだが、何となく納得できないものが残った。社会的な題材を扱っても、登場人物のプライベートな生活を描いて、そこから見た社会的な題材を描く、というのが中津留の特徴なのだけれど、本作ではそれがないのが要因だろうか。だから、ファンタジーに見えてしまう。前半で見せる市議会の様子や、ネットニュースのキャスターの発言など、ありえねぇ、っていうレベルだが、それはそれで面白く観たが、全体にいつものトラッシュじゃない感じが残る。エンディングも後味が悪い。笑ってる客が多いのだが、これが現実だとしたら全く笑っていられない話だとも思う。前作『チョークで描いた夢』で鮮烈な印象を残し、自身のユニット「ぽいぽいスコップ」では見事な劇作力を見せた小崎実希子は、本作でもネットニュースのキャスターを熱く演じ、印象に残った。