谷崎潤一郎『白昼鬼語』 公演情報 楽園王「谷崎潤一郎『白昼鬼語』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     腕の見せ所を過たずしっかり見せてくれた。面白い。

    ネタバレBOX

     サブテレニアンは小さな小屋であるが、ここで上演される作品、上演する劇団は可成り一所懸命に演劇と向き合っているケースが多いようだ。今回の上演、作品もこの期待を裏切らなかった。台詞の発語も単語のいちいちが間違いなく観客に伝わるように工夫されておりポーの「黄金虫」中で用いられる暗号が用いられるので観客もリアルタイムで謎解きに参加し得るし、そこまでいかなくともちゃんと劇中で基本的な解読法が伝授されるというオマケ付きでもある。物語は暇を持て余して空想に身を委ねている男がひょんなことから殺人事件があるという情報を得、その現場を観に行こうと友人の小説家を誘った。然も小説家も一緒に行くことを選んだ。
     という悪趣味な物語だが、今作の面白さはこの悪趣味をそう感じさせない作品に仕上げている点である。つまり役者や演出家の腕でそのように感じさせているのである。更に今作にはディレッタンティズムという魔法が掛けられ、大きな効果を上げてもいる。脚本の面白さや演出の妙、そして役者陣の味のある演技。気に入った。サティーが随所で掛かる音曲のセンスもグー。

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    2024/02/04 06:07

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