満足度★★★
地味に四カ国語がはばばば。
http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/
転載
、話としては地味にすぎたかも知れない。極めて目立つ演出があったというわけでもない。どことなくシンプルで古典的な話の展開や、役者のドタバタした振る舞いのユニークさはともかくとしても、演劇としてそこまで完成度の高いものだったのか、といえば若干の疑問も残ってしまった。
もう一つは、ブロークン・イングリッシュで紡がれた言葉であるがゆえの、あらゆることの単純さが怖かった。
もし、それをちょっと奇妙な言葉で言い換えてもいいならば、この芝居には「詩」がなかったのだといいたい。だからこそシチミの唐突な死は文字通り唐突な「死」であり、あっさりと殺されてしまう女主人の存在の軽さが気になって仕方がなかった。そんな些細な細部がチクチクと気になる芝居だったことは、僕の中では消しがたい。ブロークン・イングリッシュはたしかにコミュニケーションのツールとしてはすばらしい言語なのだろう。でも言葉や振る舞いや演技が持ち得るはずの深みや含意までもが全部壊れてしまったような荒涼とした気持ちにさせられた。含意を持たなければならない告白や殺人で、本音みたいに母国語が火花を散らすことのどうしようもなさ。