期待度♪♪♪♪♪
ドイツ人であるゲオルク・カイザーが戦時下の日本を鋭い眼差しで描いた戯曲だというが、現在の価値観や視点を当時の日本にそのまま持ち込むことは無理がある。その愚を侵さずに秀逸な舞台としたのは昨年12月に上演された青☆組の「十二月八日」だった。
三島由紀夫の『英霊の聲』は、二・二六事件で銃殺刑に処せられた青年将校と、神風たらんと死んだ特攻隊員の霊が、戦後の天皇の人間宣言に憤り、何度も何度も「などてすめろぎは人間(ひと)となりたまひし」(なぜ天皇は人間となってしまわれたのか)と嘆く様を描いている。
さてこの舞台はどう当時を描いているのだろう。