満足度★★★★
心をふくらませてくれました
私のブログに書いた感想です。
「今年観た演劇の中で、一番独創的で、インパクトの強いものでした。(まだ半年近くも今年は残ってはいますが・・・)
最初、「いわなが」が飛ぶシーンから始まったときに、
「あ、不条理劇かもしれない、しまった!」と思ったのですが、それも杞憂。
のんびりとした時間の流れの中で、やさしい雰囲気の物語がすすんでいきます。
軽い台詞の連続ながら、無理なく耳に、頭に、心に入ってきます。
やっかいな、時間がテーマの劇でしたが、これもメルヘンのようなストーリーの中に
「隠喩」のようにさりげなく横たえているようで、押しつけがましく感じられることはありませんでした。
「日韓交流」と銘打った劇でした。ミカ役のベク・ソヌさんの演技も、それぞれの年代を、それぞれの魅力で演じていていたと思います。(在日の方?日本語も上手です)
関心したのは、場を転じる時の工夫です。暗転を使わずに、常に誰か一人を残し、それから次の場面が引き継がれる手法は、見事でした。
七人の役者が、みな個性的であったことも、劇団の強みです。
今朝の朝日新聞の「天声人語」に、ジョークが載っていました。
たびたび遅れる列車に腹を立てた客が、「こんなんじゃ、時刻表なんていらないじゃないか」 それに駅員が答える。
「お客さん、時刻表がなくなったら、遅れているかどうかわからなってしまいます。」
関係ないかな。いや、時間や「老い」や「死」もそう。
否応なくつきあわされているからこそ、制御できないからこそ、それはまた貴重なものなのだ、と。
示唆に富む、素敵な劇に出会えた感じでした。」
ありがとうございました。