gagap 公演情報 ENG「gagap」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/11/22 (水) 19:00

    ENGプロデュース公演、作演出竹村晋太郎。ENGのことも、出演者の大多数も、小劇場界隈に疎い私には知らないものだらけだったけど、竹村さんが創るから、そこに劇団員やアクモブでお馴染みの方が出るからチケットをとった。
    初日を前に全日程完売、急遽補助席が出たがそれも完売。ゲネには多数の関係者や役者が見に来て、本番さながらの熱気だったそう。竹村さんファンとして、こんなの嬉しすぎる。

    明治、のような時代の、帝都、のような街。怪人と呼ばれる強力な能力を持った存在が確認され、それを専門に取り締まる部署が設立される。 それだけでもう!大好きな世界観!大正明治の古いものと新しいものが混じりあって独特の文化を作っていたあの時代!街に街頭がともってもまだなお闇が深かった時代!現代の私たちからしてみれば浪漫でいっぱいのあの時代!そこに不可思議な事件が絡めば完璧!さっすが竹村さん、わかってる。

    ネタバレBOX

    ・壱劇屋東京支部ではお馴染みの演出が盛り沢山で一瞬いっしゅんが“濃い”!!安定の「目が、目が足りないぃ!」が後方席なのに発生しました。これはね、もれなく箱推し確定。
    ・開演前にパンフと台本は買ったけど、終演後にサントラとBlu-rayの予約もしました。観劇中に「これ、円盤になるんだよね。マジかよ。最高じゃん!」て5回くらい思った。
    ・竹村作品のプロ達がアクションモブ...じゃなかった、ギャップルとして参加しているのが心強い。竹村作品初参加の皆さんも、それぞれの個性があって、アクションもだけど、芝居パートもめっちゃ良い、最高。ありがとうギャップル。
    ・高田さんの怪人0号がずーるい。え、あんなんみんな好きじゃん。竹村さんの書く台詞は全部竹村さんを感じるけど、私的に今回のキャラクターの中で1番竹村さんを感じたのは怪人0号。高田さんの台詞術がすーごい好き。最初から最後まで全部ずるい。
    ・椎名亜音さんの怪医。まずビジュアルが超好きなんだけど、亜音さんのカッコイイお声と動きでさらにキャラクターが魅力的になって、最高すぎて頭爆発するかと思った。西分さんとの絡み、ありがたい。大好きな2人。
    ・春夏秋冬で“ひととせ”と読む。栗生さんのひととせ、お声がとても綺麗で可愛くて、ふわっとほわっとした雰囲気も純粋で透明な感じがして、そんな彼女が歌うと空気が澄んでいくような、光が差し込むみたいな、聞き入ってしまう歌声でした。だからこそ…ね、しんどい。いっぱい食べる君が好き🍡
    ・梅田さんの怪色、ただのお色気お姉さんじゃないんです。色気で惑わすとか、そんな生易しいもんじゃない。めちゃくちゃ戦う。すごい強い。そしてとても良い女。何度この方の表情に胸を締め付けられたことか…強くて弱くて愛の深い女が好きだ。
    ・んで怪色に絡む怪食がぶっ飛んでて最高だった。松藤さん、漫画っていうかアニメみたいな動きする。え!今どうなった?!て動きするんだけど、それが役としてピタッと欲しいところにハマってる感じがして観ててめちゃくちゃ気持ちがいい。
    ・シミズさんの怪談。ビジュアル発表で1番気になったのがこのキャラだった。怪人っていうか妖怪っぽくて、すごくクセありそうだな…って、登場キャラ全員クセまみれなんですけど(笑)満を持して台詞を喋った瞬間に「はい好きー!」って心の中で大絶叫した。高音と低音の使い分け、素敵。
    ・喋り倒す西分さん最高かよ、最高だよ、最高でしかないよ。竹村さんが西分さんに当て書きしたという怪人P、西分さんへの信頼とか愛とか詰まりまくっとるやん!衣装の裃っぽいマントが良い。ヒールで駆け回る西分さん、足ぐねらないように気をつけてー!
    ・マサさんは姿勢がとにかく美しい。日舞で鍛えた体幹と指先まで意識の届いている動きが素晴らしい。そして、マサさんがいるならやっぱアレはないとですよね🤭嬉しかったなぁー。美しい動きをする方なのに、ブリキ人形みたいなデフォルメされたモブを演じるのもギャップにやられる。
    ・ひととせの歌唱シーンで、まわりに集まる群衆のギャップルさんたち、表情がとても良くて、今日は日置くんの表情がグッときた。お隣の黒ちゃんもいい顔してた。
    ・最終戦に入る直前の集合シーン!3つの勢力がそれぞれ睨み合うんだけど、ポスターとほぼ同じ構図!
    ・最初から最後まで高田さんがずるいよなぁ!もう!宿木ちゃんに向けるなんかこう、恋ともなんともハッキリした形はないけど大切にしたい、守りたい、笑っていて欲しい、みたいな気持ちと、どこまでも真っ直ぐな花房に宿木が好きな花房でいてほしいっていう願い、終盤の今まで余裕そうだった0号がとにかく走り回って取り繕ってない本気の叫びを花房にぶつけるところ、ほんと好き。宿木ちゃんの言葉をかわりに伝えて、その思いだけは裏切るな!って、かっこよすぎかい。この0号に喝をいれる怪人Kもカッコイイ。お笑い担当みたいなPのグループに所属してて奇抜なファッションだし喋り方はおねぇだし、そういうキャラなんだと思っていたら、実は元ヤンでめちゃくちゃ漢ってのがさぁ、オタク大好きなヤツじゃん。
    ・0号と宿木ちゃんにじゃれつく怪人J、めっちゃ猫で可愛い。どんどん0号にたいするじゃれつきがほぼ引っ掻きレベルになっていくのも面白かった。最後0号に逆シャーされてた(笑)
    ・こういう物語にはありがちな「自分以外どうでもいい捨て駒と思っているわかりやすく酷い奴」が出てこない。奴は無口で感情が無いようなやつだけど、中身がうまく成長できなかっただけで後半の子供のように泣く姿が印象的だし、すがるように「色…」て名前を呼んだの辛すぎた。色はその手でさっき殺してあげたんだもん、1番いてほしい時に1番彼を抱きしめてあげて欲しい時に、もう彼女はいない。白のほうは仲間と認識している者は大切にしている感じ。春夏秋冬の歌声で量産したギャップルやすぐ死んでしまうような欲望の足りない怪人達のことは駒扱いかも。僧や老のことは大切にしてた。
    ・キャラクターそれぞれに背負ったもの抱えたものがあって、それがしっかり見えるから辛くて苦しい。村田さんは怪人になったのにギャップルたちに殺されてしまったんだな…辛い…後半の「頭部に傷を負った状態で歌を聞くと変異する」がわかってからの頭への攻撃が絶望でしかなくてなぁ…
    ・怪人へと変異する瞬間を表現した怪談と怪軍の2人、すっげかった。体柔らかい。背筋と腹筋強そう。
    ・食に食い殺されそうになった色に奴がとどめを刺してあげるの、さっそくそれは愛だよな。優しい奴、色めっちゃ嬉しそうだった。
    ・ギャップルたちの活躍がまぁー凄かったんだけど、個人的に好きだったのは電車の戦闘シーン。電車を外から見てるアングルで窓から戦ってるのが見えてる、て感じなんだけど、これがねぇ、我々観客の想像力を信じてくれてるんだなって演出で嬉しかった。その場にあるのは4枚のパネルだけで、電車の音は出してるけど電車っぽいものは何一つ無い。でも、頭の中では足場の不安定なゆらゆら揺れる電車、大きな窓から見える戦闘、そういうものがしっかり補完された。見えたんだよ、ちゃんと、電車が。
    ・Pの「ムーブメントを起こすのが好きでして」てゲヘゲヘ笑ってるところ大好き。
    ・血吹雪、あると思ってなかったから嬉しかったよー!!!!スペシャリストのマサさんもいるしね!みんな吹雪使うけど、一体どこに仕込んでたの?!てくらい隠し方と見せ方が上手い。
    ・大災害からおばあちゃんを助けて通路をのぼっていく花房、頭に傷を負い鼓膜が敗れた状態だったから、おぶわれてる藤島さんが花房の右こめかみあたりに手を置いて、頭と手のひらの隙間からはらりはらりと血吹雪をこぼすのが「こ、細かい!」て感動した。細部に神は宿る。
    ・すごい吹き上がり方してるー!ってなったのは怪電が怪僧にぶっ刺されたところ、とんでもない量の血吹雪がぶわわって飛び散ってて、ただの紙だってわかってるのに痛々しくて「うわあ😭」てなった。
    ・怪軍が暴走する花房を一喝するシーンも好き。「お前は違うだろう!」って。自分はこういう守り方しかできない、でもお前にはお前の守り方があるだろう、みたいな。怪人にさせられてしまった悲しい運命。彼の目的は怪人騒動の発端である春夏秋冬を消してこれ以上怪人を生み出さないことだった、なら彼の目的は達成され、じきに消えてしまうのかな…
    ・守れたものもあれば守れなかったものもあって、めでたしめでたし大団円とはいかないんだけど、それでも人間は前を向いて自分に出来ることをやるしかないから、だからとにかく、生きようっていうラストなんだと私は思った。
    ・春夏秋冬の透明な唄声が、覚醒した時は音をいじったみたいにぐわんっと揺れて聞こえた錯覚がして、あれすごかったな。アニメだったら視界が歪む演出入るやつ。あそこの歌声が際立つように、普段の歌声や喋り方を高めで透明感ある感じにしてるのかな。
    ・ボディーガード村田、パンツスタイルの女性がサンジばりの足技で戦うの、嫌いな奴いないぜ。彼女が怪人、というかギャギャップになってしまうの、悲しかった。

    0

    2024/01/03 21:23

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大