Pickaroon! -ピカルーン- 公演情報 壱劇屋「Pickaroon! -ピカルーン-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/06/27 (火) 19:00

    初演再演とは男虎紙研勝又を演じる役者の性別が違うチーム。虎ちゃんはたぶん男の子なんだと私は思った...女の子でも良いけど、キャラ設定的には男の子の方がしっくりくるかな?
    紙研さんは男性になったことで逆に女性的になったのが意外だった。細くて、病的な感じがして、でもここぞというときに出る勇ましい声は男性キャストだからこそ。
    続投キャストは佐久間様だけ。安定してるけど、少し変えてきたかな。

    ネタバレBOX

    御姫と男虎が並んだ時、サイズ感が同じなのめちゃくちゃ可愛い!たけむさんの男虎は「筋繊維が異常で成人男性5人分の体重」て言われてもすんなり納得できるんだけど、柏木ちゃんだと見た目とのギャップでバケモノ感がすごい。メイクも好きー!武器が、今回から普通の刀じゃなく柄も鞘の一部で全部外して、パラデュールでフィルの持ってた暗器に近い形状になる。だから手袋してる。そして固定されてないから柄のある状態で振るときは吹っ飛ばないように日本刀でいうところの鍔がある部分を握ってた。柄を取り外して口に咥える時の目が最高。超怖い。たけむさんの虎ちゃんは舌っ足らずというか、体と心の年齢がチグハグな役作りだったと思うんだけど、柏木ちゃんはしっかり喋る。でも、抑揚はない。これはあえてつけてないのか、柏木ちゃんの癖なのか...。最後の刀ぐさぐさなの、もっとバーン!って見せて欲しい感じある。あと、刀たちを自立させるために土台がしっかりしすぎてて急に男虎が傴僂みたいになるのは違和感あって残念、でもまぁ、難しいよなぁ。
    御姫がさー、初演再演に勝るとも劣らない可愛さだった。完璧少女だった。純粋無垢。
    3代目力石の声がめちゃくちゃ良い。なんですか、力石は舞台映するええ声の人がキャスティングされる決まりがあるんですか?竹下→淡海ときて、今回もよく通って良い声。叫びが良い。町人を斬ってる時、御姫が逃げる時が稼げれば町の人達に殺されてもいい、殺されようと思ってる節さえある。最後の笑顔が辛い。
    角のことあんなに憎んで恨んでるのに、目の前で自分と御姫を守ってボロボロになっていく角に思わず手を伸ばす飛がしんどい。角が2人を守るのは歪んだ愛ゆえで、“自分が殺したいほと愛している妹だから”守ってるんだけど、飛が手を伸ばすのはさ、なんか憎しみもあるけどどっかで絆されてる感じもあるのが、角兄の罪なところだわ。ともちゃん、ぶんさん、ときてのみのりちゃん飛、妹の存在とか感情の爆発の仕方が少し物足りないけど、パラデュールでもったいないと思ってた芝居と発声は違和感なかった。可愛くて、でも妹のことを背負ってて、複雑な表情してるの良かった。最後のお姫へむけた舞も美しくてねー。
    七賊みんなが最期に笑顔を見せるのしんどい。あ、男虎は最後バッタリ倒れてしまうから表情は見えないけど、ラストの「がんばれー!」で優しく笑ってくれる。
    日記を御姫に渡す時、由良が頭ぽんするのたまらん!力石に対してもすごいって認めてるからこそ負けられないって思ってる感じが良い。
    やっぱ勝手に終わらせる佐久間のことは許せない。
    石川くんの勝又よかったなー。この先、東京支部を芝居でひっぱっていく存在になると思ってる。台詞も表情も良いんだよ、安定感がある、安心出来る。勝又って役が石川くんのニンってのもあるかも。伊武が勝又を出してくるの、性格悪いけど最高だよね。やったれ!てなる。
    角は、こばーんのなんか憎めないお馬鹿ってのとはちょっと違って、うまく言語化できないんだけど、まだ私の中でしっくりきてない。みのりちゃんとの相性はいいと思う。でも、角としてあんまりしっくりきてないのは、あまりにもこばーんのぶっ飛んだキャラクターが強いからなのかな。よりリアルではある。
    台詞慣れしてない八上黒田の2名、黒ちゃんは柏木ちゃんから大事な役を引き継いでますから、頑張っていただきたい。素直なお芝居をする子だから、たぶんすぐうまくなるとは思うけど、いかんせん台詞を喋るのはもちろん役者としての発声もおぼついてないから、先輩たちから良く学びたくさん盗んでもらいたい。こうちゃんは、パラデュールの時マジでヤバいと思ったんだけど、今回そこまで気にならなかったな。オールモブで長文の台詞が無いからかもしれないけど、聞き取りやすくなってたと思う。成長してる。
    戦闘シーンは淡海優を探せタイム。最初の方と最後の方にちょこっとずつ出てるかな?基本いない。どうしても人が足りなかった所があって追加で入ってる感じなのかな。あ、天子の間で台詞喋ってたな。
    由良が力石の義賊活動を「俺には出来ねえ」って話してる後ろで、1枚ずつ小判を出しては「どーっちだ?」ってしてる力石。なんか、初演再演では感じなかったんだけど、今日力石に初めて偽善者って感情を抱いた。これが演技プランなのかわからんのだけど、貧しい人達のために100%の善意ではなく、施しをしていることへの自己満足や自己陶酔みたいなものを本人の自覚あるなしではなく感じた。
    栗田伊武の「走れ(逃げろ?)」は囁きに近いのが今までの伊武と違って印象的だった。おかずさんも日置くんも声張ってた記憶なので、あえて大声を出さないというのが刺さった。御姫も初めて伊武の声を聞くのがあそこなんだよな...最初で最後の声か...。御姫に筆を渡そうとしたのは武器として託そうと思ったからだろうけど、思いとどまって御姫がひとりで歩けるように背中を押すために使うってのがさ、優しいよ。御姫の辿り着いた先に先回りしてるのいつも不思議なんだけどね、その国の人っぽく最初出てくるし。あの筆で描いたものだけは、色が着く。
    話を聞く時の顔=黒ちゃんが、「なんでも話してくださいね、なんでも聞きますよ」って側仕えとして言うの、あー!これー!伏線ー!ってなった。前見た時も気付いてたかな...。
    私は、七賊死亡エンドだと思ってて、あの状況で生きてるわけない派なの。明確に死んだとは書かれていないし、御姫の持ってる日記には七賊の結末まで記してあるはずがないから、あれは...あー...船の上で御姫が最後に書き残したものなのか?香で眠ってしまう前に。だとすれば、逃げろって背中を押したところまでしか知らないのは説明が着く。その後の笑顔や倒れる七賊は御姫は見てない、見てるのは私たち観客だけ。やっぱり、死亡エンドだよなぁ...つら...。
    パラデュールを経たことで、ピカルーン内の台詞もいろいろと考察してしまうよね。佐久間の帰国子女ってがピカルーン段の海の向こうって意味なのか、段をこえて戻ってきたという意味なのか。宗教で人心を掌握する、まさにヨナ教のような思想ですがなにか関係があるのだろうか。この国が出来た時から仮初の天子を祀ってきた、佐久間はその最初から関わっている?どれほどの歴史があるのか?御姫が辿り着いた先は同じ段の世界なのか、別の段に辿り着いているのか...謎は深まるばかり。男虎とフィルの武器が酷似した点、不思議な力をもつ筆と五彩の白は関わりがあるのか(白の筆に「1度だけ」の縛りがあるかは謎、でも倒された主人公ズは復活させられないからおそらくそう)
    紙研さんが太陽に焼かれていくの、惨いよね...好き...炎の赤布が肩にかかってくるの痛々しい。
    佐久間と伊武、舞台ツラから飛び出してくるな(笑)客席に手を伸ばして紙研さんに「その先には誰もいない」って言われる伊武さん(笑)

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    2024/01/02 19:19

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