満足度★★★★
若者にも受け入れられる戦争ドラマ。
シアターKASSAIという今年5月にオープンしたばかりの劇場のオープン記念企画、ONE THE WAY HOME というひとつの作品を4人の演出家がそれぞれの役者を使って上演するという面白い企画。
私が観たのはその中のトップバッター、時間堂黒澤世莉の演出作品。多分4団体の中で一番若手グループであろう黒澤チームは台本を大幅に脚色して、黒澤版ONE THE WAY HOMEに仕上げた。
戦争を題材にしたドラマでありながら、至るところでPOPな演出を試み、若い人にも伝わる戦争ドラマに仕上げた。
役者では桜木を演じた菅野貴夫が当時の日本人の典型的人物を見事に演じた。前回JACROWでは浮気性の軽い男を演じたばかり。今回は徹底した硬派。それぞれ見事にはまっており、演技の幅の広さにただただ感心。また女優の梶野春菜が二役をやったが、その変わり身も見事だった。
決してじめじめした作りにせず、笑いどころも満載ながら、骨太の部分はしっかりと伝えるという作り。時間があればもう一度観てみたい。