無駄な抵抗 公演情報 世田谷パブリックシアター「無駄な抵抗」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    一日中一つの電車も止まらなくなった街の駅前に円形劇場風の広場がある。そこに登場するのは黒い衣装の女性占い師と、駅の掃除管理員、何もしない大道芸人、探偵。四人の人物を軸にそれぞれの同級生や、探偵に探られる一家、孤児院から社会に出た兄妹などが現われて、それぞれの物語が、交差しながら語られていく。2時間の上演中、舞台は変わることはなく、登場人物は10人。
    いつものイキウメと違うのは、この間舞台で天変地異(地震とか遊星が降るとか、登場人物によって起きる異常現象とか)は起きない。登場人物の境遇は、現在の社会から落ちこぼれた不幸な環境と経歴を持つ人たちだが、彼らは普通に暮らしている。で、何が起きるか?
    何も起きないのである。これはネタバレでも何でもない。そう解っていても、人はこういう止まらない電車の駅のある場所に生きているのだ、いや生きざるを得ない。
    「孤独な抵抗」は、いままでのイキウメとは違う舞台で、現代社会で課せられる個人のテーマが描かれている。
    ちょっといつもと勝手が違っていつもは生き生きと演じている俳優たちもちょっと勝手が違う感じであろ。現代の「ごど待ち」である。しかし、こは次の展開を見たいものだ。駅の設定とか、駅で起きる唯一大きな事件とか、いままでのイキウメらしいところを生かして新しいファンタジーが現われることを期待したい。大入り満員だから観客もそろそろ、地球が動く、とか太陽がどうなった、とか言う話に飽きて次を大いに期待しているのだ。

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    2023/11/15 10:23

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