実演鑑賞
満足度★★★★★
ブロードウェイ版に準じつつも、予算に伴う小規模化があった。しかしとてもよい舞台だった。大人の役者を混ぜず、魅力的な子役達で小学校が構成されていた。
必ずしも全員演技が上手くはないが、回し役や決め所、複雑な動きをさせずとも固定された体の角度のみで最低限の心情を伝えるなど、芝居を付けきった演出の手腕がある。一方で演出を務めた鴻上尚史さんの第三舞台などに多く見られる、体を思いっきり使わないもったいなさは感じた。
セットの松井さんは、予算のなかで最大限の効果を発揮していた。
残念な点として、ラストのライブシーンはブロードウェイ版ほどの没入感がなかったこと。小規模にしたセットのため押す人が見えてしまったのは最後の最後、集中を削がれてしまった。しかしながら、子供達がライブのPAや映像投影を行っているという映画の設定に準じた独自の演出が行われていたのに好感を持った。
歌うことの喜びに溢れた今作。舞台版でしか見られないOnly you would listen(聞いてくれたら という訳も見事)という子供達の歌が特に素晴らしい。おすすめ