実演鑑賞
満足度★★★★★
「戯曲と即興のハイブリッド演劇」という謳い文句ですが
「真剣と遊び心のハイブリッド演劇」とも言える企画公演
スタートは野口オリジナルさんの一人芝居「異界の魚」
演劇に賭ける情熱は人一倍、なのにこれまで一度も報われることの無かった劇団員、これってデフォルメされているにしても実際モデルになっている役者さんがいるのかもなぁと
彼にとって最後の通し稽古
コメディーのカテゴリーには収まりきらない涙ぐましい笑いと突き抜け感
こちら客席に語りかけてくる熱量が凄すぎる
生の迫力ですっかり熱くなっている状態から、第2部の演目「尋問」に移行する流れが巧い
「尋問」
この演目は他の誰でもない明日以降の6号役で出演される役者さんに全く情報が入らぬよう徹底されているのでネタバレに繋がる事は一切書けない
日替わりで演じられる6号役が事前に知らされているのは共演する9号役 高田淳さんと2号役 星璃さんから尋問されるらしいという事だけ
観客も6号と同じ状況ではあるけれど、反応のしかたは十人十色
6号を演じる役者さんの個性が絶対出てくる、もう直ぐに“”らしさ”が滲み出てくるのだから面白い
9号、2号を演じる役者さんは6号の行動パターンを幾つも想定したうえで挑まれているのだけれど想定から外れた場合、いやでもアドリブで対処しなければならないという
戯曲と即興、演技の裏で駆け巡っているであろう心理も想像しながら観るということで2倍楽しめるのでした
その駆け引きの確認という意味でもアフタートークは必見