『アタシが一番愛してる』 公演情報 バナナ学園純情乙女組「『アタシが一番愛してる』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 脳内に作用し、酩酊・多幸感・幻覚などをもたらす
    そのような薬物を「麻薬」と言う(引用:ウィキペディア)。
    さらにウィキでは、こう続く。
    「依存性や毒性が強く健康を害する恐れがある」。
    そんな感じではなかっただろうか、この公演は。

    で、一言で言ってしまえば「面白い」。
    後から、じんわり来る面白さもある。
    不安定なジェットコースターに乗るような体験でもある。

    そして、うるさくて、けたたましくて、POPで、ハイテンションで、キッチュ。
    極彩色の汚物をぶちまけたよう。綺麗で汚い。

    大音響に頭クラクラ・・・はしないけど、初体験なので、最初はちょっと引いた(笑)。そして、随所で「ほほぅ」と笑いながら見た。

    ネタバレBOX

    オープニングはいいとしても、少し進んでも、何だかよくわからない。
    どうやら、物語を観客に伝える意志はないとみた。
    だって、叫ぶ台詞がずっと重なったり、大音響の音楽(後ろのスピーカーは不要だったのでは?)で台詞が聞き取れないし、会話のやりとりの間、客席に向かって別の誰かが話し掛けたりしてるんだから。

    それならば、こちらもそうしよう。物語は追わない。断片的に掴むことができる単語とかを拾うだけにしよう。
    どうやら、ミスコンの話らしい。どうやら、誰かが殺されたらしい。どうやら・・・。ま、そんな具合だ。

    なのに、あっという間だったな、90分(ライブ含む)。

    みんな暑っ苦しくて素晴らしい。
    てっきり、ほぼバナナ学園純情乙女組の人たちが演じているのかと思っていたら、当パン見て驚いた。客演が多い。なのに、このハマリようは何?!
    中毒性が強いとみた。感染性も強そう。
    だって、ゲストの成島秀和さん(こゆび侍)が、ミニおはぎライブで、何かを吹っ切ったように、あるいは何かが取り憑いたように、歌い叫び、踊っていた。チェックのミニスカートで。

    暑っ苦しい中に、1人だけ、リラックマを背負う少女(高柳美由己さん)がいた。彼女だけが救いであった。彼女のお陰で、こちらの精神の安定が図れたのではないだろうか。なんて。
    それと、「菊池(?)」というネームを付けて、物語に微妙に絡むようで、絡まない浅川千絵さんは、強引なほど印象に残るのだった。目と表情の翳りの感じがいい。

    怒濤の本編が終わり、怒濤のミニおはぎライブが始まる。こちらは、さらにハイテンションで、音量も1目盛アップしたよう。
    このエネルギーはなんだろうか。けなげすぎて目頭が熱くなりそうだ。
    歌い、叫び、踊る。

    ひょっとしたら、これを90分間続けたほうが潔いのではないかと思った。
    台詞を入れて演劇っぽくする意味はあるのだろうか、ということ。
    歌の合間にちょっとだけ台詞がある程度でもいいのではないかと思ったり。

    ただし、劇場を覆う、音の洪水に、ノイズ・ミュージックのようなカタルシスや完成度、さらに音を出すことへの強い欲求があれば、言うことないのだが、そのレベルにはまったく達していない。
    とは言え、ここには肉体があるのが強み。しかも若い。
    汗が飛ぶし、唾も飛ぶ。

    演じるほうの気持ち良さが、最高であることは、その表情によってわかる。
    それを少しだけでも、こちらも感じられたなら、よかったんだけど。

    見るほうも体力勝負な感じなので、次回も見るか? と聞かれれば、「微妙」とだけ答えておく。
    だけど、5年後はどうなっているのかは、非常に気になる。
    気になるのでチェックは怠らないようにしたい。

    そうそう、音悪すぎ。意図しているのかもしれないけど、できれば、音にはもっと注意を払ってほしいと思う。
    だって、音楽大切なんでしょ?

    そして、絶対に万人向けでないことだけは確か。

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    2010/06/16 02:04

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