実演鑑賞
満足度★★★★★
40年の観劇人生で、誕生日に観たのは初めてな気がする。
とにかく小川祥子さんを観たくて、予定をこじ開けた。
ずっと消えない日本とアジア諸国との遺恨。それが融解する時は来るのだろうか。
日本人の心の奥底に染み付いているアジア諸国やアジア人に対する優位性や差別感情。それは長い時間の中で刷り込まれていて簡単には洗い流せない。アメリカの原爆使用ばかりをメディアは取り上げるが、日本がアジアにしてきた暴挙や琉球を犠牲にしてきた歴史を傍に置いたまま友好関係を進められるはずはなく、そこに立ち返り、世界に向けて非を認め謝罪することから始めなければ、この国の未来は無い。国家主義の愚かさを認識せねば、また同じ過ちを繰り返すことになる。ドイツが世界に向けて反省を示して謝罪し、負の遺産として国の至る所に痕跡を示しているからこそ世界が認め受け入れている。日本も誤魔化し続けていては置いていかれるだけ。いくら吠えてみても、中国の力には勿論、韓国の躍進にも太刀打ちできない。エリートを育成する韓国は、経済やスポーツに加えて、今や映画がアカデミー賞を獲得し、K-POPは世界を席巻している。日本は素直にアジア諸国の魅力を認め、対等に向き合って、本当のアジア融和の一翼を担わなければいけない。
そんなことを改めて考えさせてくれる作品だった。