実演鑑賞
満足度★★★
宮澤賢治の「風野又三郎」は読んだことがなかったが、この音楽劇では人間と自然界、特に<風>との交流を描いているよう。<風>と人間の交流…ありえないようなコトを抒情豊かに描いており、その意味では空想劇といったところ。人間の先生(達二)と又三郎という色々な風との出会いと別れ、その気ままな<風任せ>な光景を楽しく愉快に観せる。
当日パンフで脚本・吉野則子女史が「風野又三郎」は<風の精>として こどもの前に現れる。そして風のいたずらや自然の驚異…とある。いくつもの小話・寓話を繋ぎ自然界と人間の関わりを興味深く語る。勿論、音楽劇と謳っているから生演奏や独唱・斉唱などで聴かせる。
公演の魅力は、衣裳や被り物で親しみのある観せ方をしており、幅広い世代に好まれるであろう劇作。特に風の恰好は白地で浮遊感ある衣裳で上手く雰囲気を出している。一方、淡々とした印象で 盛り上がりに欠けるようで物足りない。
気になったのは、勘違いかもしれないが ピンマイクのせいか、一部 雑音や声音に悪影響があったのが憾み。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)