木をめぐる抽象 公演情報 モナカ興業「木をめぐる抽象」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    人をめぐる抽象
    タイトルと内容説明で、うんと損をしているとしか思えない本作。
    これだけで内容分かれ、という方が無理だと思う。

    ある人が見ているその人の姿と、別の第三者が見ているその人の姿は
    全然違う、どれが本当なのか、どれも本当だろう?
    皆がかっこ良いと認めていた人が自宅の敷居を跨げば、はやだらしない
    格好に早変わりというのはよくあること。 誰もその人の本当の姿はコレだ!
    とはいえない。 

    だから、「人」というままならないものをめぐる「具象」じゃなくて「抽象」。

    ネタバレBOX

    ある会社の説明会を運営するイベント会社の社員と、説明会主宰会社の
    社員達が会を翌日に控えてから、無事説明会の終了を迎えるまでの
    28時間をえがく作品。

    自分のことで頭いっぱいで要領悪過ぎる、どこにでもいそうな仕事出来ない感じの内村さん、面倒見がよく気遣いも上手い犬上さん、その二人が
    認めている多田さんが運営会社社員。

    仕事バリバリ出来る、いかにもやり手なキャリアウーマンの小林さんが
    説明会主宰責任者。

    劇が進むにつれて、犬上さんがフラストレーションためまくりの、ありがちな
    人で、しかも自分の旦那と多田さんの浮気を疑っていたり、

    いかにも出来る、皆のあこがれの的だった多田さんは、自分の上司との
    不義の愛に溺れた挙句、妊娠中絶の為、会社を休んでいたという事実が
    分かったり、

    キャリアウーマンな小林さんは、その直情一本っぷりが上司はおろか
    部下にまで密かに疎まれ、栄転という名ばかりの左遷で近々飛ばされる
    だけでなく、自分の旦那との別れ話はこじれにこじれてる。。。

    人に見せている顔と、裏の顔は実は違うんだよ、ということを皮肉たっぷりに
    描く秀作。 台詞と構成が上手いですね。
    最初の方の伏線の張り方も見事でした。

    多田「(明るげに)部長、終りました」
    部長「ああっ、ご苦労だったな」

    ブラック過ぎでしょ、ここの場面。

    内容自体は結構ありきたりだけど、最後まで時間を気にせず観れました。

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    2010/06/07 20:25

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