満足度★★★★
女房よりどりみどり
「女房」をテーマに、コントのような状況から心揺らす愛情まで幅広く扱って口語であえた、栄養バランスに優れた静かな良作オムニバス。
さすが女性作家というべきか、井戸端会議的なお喋りなど女性社会の描写が客観的ながらきめ細かくて面白い。
どうも「女房」を謳った作品ってその男性の懐古主義的な願望の反映に陥っているものが少なくなくヤな感じを味わうのだが、このオムニバスの女性達にはあまりヤな感じがしない。確かに懐古的ではあるのだが。
個人的には、噂の「恋女房」含めた前半の短編では着地点の感触がいまいち掴めずふわふわが続いたのだが、結末をガッチリ固めていた4編目以降の後半戦はグイグイと引き込まれた。変種の3編目も後で納得。
今回はいつもの公演と一味違うということなので、本来の公演も観てみたい。